質問者:
高校生
ゆうや
登録番号1471
登録日:2007-11-16
学校の授業で、みんなのひろば
糖の種類と紅葉の関係について。
オオカナダモをいろいろな種類の糖の水溶液中(全て5%)に入れ
紅葉の様子を観察したところ、
スクロース溶液で最も紅葉し、他の溶液では紅葉は起こらないと予測したのですが、
グルコース、フルクトースの溶液でも紅葉がみられ、さらに
フルクトースの溶液で最も色の変化が観察されました。
マルトース、デンプン溶液と普通の水中では紅葉は起こらなかったのですが、
紅葉には糖の種類が関係あるのでしょうか?
また、フルクトースで一番紅葉したのはただの偶然でしょうか?
ゆうや さま
数種の糖とデンプンの5%水溶液に緑色をしたオオカナダモを入れたときみられる、この水草の色の変化についてのご質問ですが、実験条件が詳しく記されていないので簡単にはお答えできません。糖溶液で処理した時の条件(温度、暗黒か光照射をしたか、など)、紅葉とは水草の葉緑体の緑の色が消え紅色になったことを指すのか、この変色は糖溶液で処理をしてから何時間で見られるのか、変色の進行状況、などが、この糖による変色のメカニズムを考える上に必要です。
糖はオオカナダモの細胞膜を透過できるため、5%糖溶液に浸すと細胞の糖濃度が、最大5%になるまで上昇します。この濃度では原形質分離を生じないかもしれませんが、それでも糖が細胞膜を透過して生ずる浸透圧は(重量%濃度ではなく)モル濃度に比例するため、2炭糖のスクロース(ショ糖)とマルトースの浸透圧は、グルコース、フルクトースの1/2になります。そのため、これら糖が平衡になるまで細胞に透過すれば、グルコース、フルクトースはスクロース、マルトースに比べ2倍の浸透圧を細胞に与えます。デンプンは高分子であるため、細胞膜を通ることはできず、従って、細胞に浸透圧を与えることは考えられません。
スクロースでも変色(紅葉)したとすれば、上に記した細胞内での糖の浸透圧のみでは説明できませんが、デンプン、マルトースで変色しなかったことは説明できます。植物にはスクロースをグルコースとフルクとースに加水分解する酵素、インベルターゼ、が含まれていますが、もし、オオカナダモにもこの酵素があれば、スクロースによって変色することも説明できます。科学の実験のメカニズムを考えるとき、偶然そうなったと考えるだけでは、実験をする意味が全くありません。実験前に予想していたことと違う結果になった場合、実験を繰り返して確実に再現性があることを確かめ、新たに別のメカニズムを考えなければ研究の進歩はありません。
数種の糖とデンプンの5%水溶液に緑色をしたオオカナダモを入れたときみられる、この水草の色の変化についてのご質問ですが、実験条件が詳しく記されていないので簡単にはお答えできません。糖溶液で処理した時の条件(温度、暗黒か光照射をしたか、など)、紅葉とは水草の葉緑体の緑の色が消え紅色になったことを指すのか、この変色は糖溶液で処理をしてから何時間で見られるのか、変色の進行状況、などが、この糖による変色のメカニズムを考える上に必要です。
糖はオオカナダモの細胞膜を透過できるため、5%糖溶液に浸すと細胞の糖濃度が、最大5%になるまで上昇します。この濃度では原形質分離を生じないかもしれませんが、それでも糖が細胞膜を透過して生ずる浸透圧は(重量%濃度ではなく)モル濃度に比例するため、2炭糖のスクロース(ショ糖)とマルトースの浸透圧は、グルコース、フルクトースの1/2になります。そのため、これら糖が平衡になるまで細胞に透過すれば、グルコース、フルクトースはスクロース、マルトースに比べ2倍の浸透圧を細胞に与えます。デンプンは高分子であるため、細胞膜を通ることはできず、従って、細胞に浸透圧を与えることは考えられません。
スクロースでも変色(紅葉)したとすれば、上に記した細胞内での糖の浸透圧のみでは説明できませんが、デンプン、マルトースで変色しなかったことは説明できます。植物にはスクロースをグルコースとフルクとースに加水分解する酵素、インベルターゼ、が含まれていますが、もし、オオカナダモにもこの酵素があれば、スクロースによって変色することも説明できます。科学の実験のメカニズムを考えるとき、偶然そうなったと考えるだけでは、実験をする意味が全くありません。実験前に予想していたことと違う結果になった場合、実験を繰り返して確実に再現性があることを確かめ、新たに別のメカニズムを考えなければ研究の進歩はありません。
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二
回答日:2007-12-07
浅田 浩二
回答日:2007-12-07