一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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インドシタンの色素について

質問者:   一般   アリモト コウタ
登録番号1472   登録日:2007-11-17
以前タイの山岳民族が染色にインドシタンを利用して赤を染めると聞きました。
染色方法は
1 マイ・ブラドゥーは、灰汁と一緒に15分間ほどゆでる。(ゆで加減で色が微妙に変わる)

2 米の炊き汁をまぜ、熱を冷ましてから水洗いし、日に2日間ほど干す。光と空気に触れるとみるみる赤味が増してくる。紫系統の色を染めるには、マイ・ファーンの木(蘇芳)を使う。

とされていました。

この方法や日光に当てることで発色するという特徴などからタンニン性の色素がかかわっていると推測できるのですが、実際どのような色素がこの植物に含まれているのかが知りたいと思います。

色素と米の炊き汁との関係なども知りたいのですが、よろしくお願いいたします。
アリモト コウタ さん:

質問コーナーのご利用有り難うございます。
このご質問は植物生理学というよりも家政科学に関係するもので、私どもが取り扱う範囲を超えているように思われます。草木染めは、植物材料の絞り汁や水(湯)に溶けだしてくる化学成分と繊維成分との吸着、化学成分の酸化、重合、媒染剤として使用する各種金属との結合などを利用して繊維を着色する技法ですが、そのほとんどは経験的に得られたものです。抽出液という複雑な多成分系での反応ですのでかなり特徴ある発色をする場合でないと色素や発色成分の化学的研究は少ないものです。スオウについてはブラジリンという色素が同定されていますが、インドシタンでは繊維染色よりも心材の色素成分を同定する中で数種のフラボノイドが同定されているに過ぎません。繊維染色科学の専門家に伺うことが必要かと思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2007-12-07
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