一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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節間を短くする方法について

質問者:   自営業   くにやん
登録番号1482   登録日:2007-11-27
エンドウマメを栽培している農家です。
エンドウマメの節間を短くがっしりと育てるために、土壌水分を乾燥域で育てているのですが、ある方から「土壌が乾燥すると光合成能力も低下するから、土壌水分は適正にして、カルシウムやカリを多めに施肥して、植物体内のCaやK濃度を上げれば節間が短くなる」と言われました。
これは本当なのでしょうか?
そして、植物の節間の長短にはどのような因子が関与しているのでしょうか?
くにやん様

大変遅くなってしまい申し訳ございませんでした。頂いたご質問の回答を最初は茎の生長の専門家にお願いしたのですが、回答不能ということで、環境応答などのご研究をなさっておられる大阪市大の平沢榮次先生にお願いいたしました。平沢先生はいろいろと調べて下さったのですが、ある方からお聞きになった Ca や K の効果は一般的に知られている事柄ではないのではないかと云うのが結論のようでした。遅くなりましたこと重ねてお詫びいたします。

平沢先生からのメール
気にかけて調べておりましたが、テキストや辞書には載っておりませんので、Caが細胞壁の接着を強くすること、Kは浸透圧を維持することは予想されますが、この段階では、植物生理学の範囲であれば「CaやK濃度を上げれば節間が短くなる」との情報は得られておりません。ただ、現場(農業)でのエンドウマメに限定した施用となれば調査に時間を要します。今の段階での中間報告です。もし時間がゆるせばもう少し調べてみます。

(追加報告)
(社)農山漁村文化協会の「野菜園芸大百科」(2版)の8巻「エンドウその他」や、朝倉書店の「植物栄養・肥料の辞典」にも施肥効果に該当する部分がありませんでしたので、少なくとも一般的に知られた事柄ではないと思われます。

平沢 榮次(大阪市立大学)
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2008-01-31
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