質問者:
一般
れいに
登録番号1488
登録日:2007-12-03
根について質問(登録番号みんなのひろば
植物の大きさに対して大きすぎる鉢で育てることについて
1485)をしたところ、早速回答いただきありがとうございました。
わかりやすい解説で読みながら根の様子を想像できて、楽しかったです。大変参考になりました。
根を知る度に、根ってすごいと感心していますが、今回、根が持つ湿度の高い方へ曲がって成長する性質に名前があると知りました。これを発見した時は嬉しかっただろうと思うと感動します。
根が成長するのは自然なことなのでしょうが、鉢という限られた中では水を求めて更に根を伸ばさなくてはならなかったのでしょうか。
植物にとって心地良すぎる環境は、子孫を残す必要がなくなり、花を咲かせないと聞きましたが、十分成長しない苗のうちはあまり生命の危機を感じて欲しくないので、なるべくのびのび育って欲しいと思います。土の成分や水分量など植物にとっての「適」を知るのは難しく、これだと確信できる日は来ないかも知れません。
この秋にヘレボルスを植替える時、根の間の古い土を取り除きたくて根をほぐしたのですが、始めは根を切らないように気を使っていても、時間がかかりすぎて忍耐力がなくなり結局かなり切れてしまいました。1株に1時間以上、それが数株あったので最初から根を切れば良かったかと思ったのですが、植替え後に成長が止まっているように思えるものもあり、根を切ったせいではないかと心配です。
株によって、春に同じように二周り大きなサイズに鉢増しをしても、秋の植替えの時に根がまわっているものとそうでないものがありました。
「ぐるぐる巻き」は困りますが、暑い季節が苦手な植物で夏の植替えも避けたいので、幼苗の頃から根の成長が早いものは鉢増しのサイズをより大きくしてみようかと思います。ヘレボルスの苗は二周り大きなサイズに植え替えるということで、そうしましたが、半年ほどで鉢いっぱいになってしまったので、三周りでもまだ足りないように思います。
通常、鉢植えでは植物の大きさに見合ったサイズの鉢に植えるべきで、大きすぎる鉢では生育が悪くなるそうですが、悪くなる原因は土量が多すぎることからくる過湿だけでしょうか?他に気をつけることはありますか?
また、1本の根がどれくらい伸びるのか成長を追いかけてみたいのですが、根に印をつけるとしたら何を使えばいいでしょうか?
よろしくお願いします。
わかりやすい解説で読みながら根の様子を想像できて、楽しかったです。大変参考になりました。
根を知る度に、根ってすごいと感心していますが、今回、根が持つ湿度の高い方へ曲がって成長する性質に名前があると知りました。これを発見した時は嬉しかっただろうと思うと感動します。
根が成長するのは自然なことなのでしょうが、鉢という限られた中では水を求めて更に根を伸ばさなくてはならなかったのでしょうか。
植物にとって心地良すぎる環境は、子孫を残す必要がなくなり、花を咲かせないと聞きましたが、十分成長しない苗のうちはあまり生命の危機を感じて欲しくないので、なるべくのびのび育って欲しいと思います。土の成分や水分量など植物にとっての「適」を知るのは難しく、これだと確信できる日は来ないかも知れません。
この秋にヘレボルスを植替える時、根の間の古い土を取り除きたくて根をほぐしたのですが、始めは根を切らないように気を使っていても、時間がかかりすぎて忍耐力がなくなり結局かなり切れてしまいました。1株に1時間以上、それが数株あったので最初から根を切れば良かったかと思ったのですが、植替え後に成長が止まっているように思えるものもあり、根を切ったせいではないかと心配です。
株によって、春に同じように二周り大きなサイズに鉢増しをしても、秋の植替えの時に根がまわっているものとそうでないものがありました。
「ぐるぐる巻き」は困りますが、暑い季節が苦手な植物で夏の植替えも避けたいので、幼苗の頃から根の成長が早いものは鉢増しのサイズをより大きくしてみようかと思います。ヘレボルスの苗は二周り大きなサイズに植え替えるということで、そうしましたが、半年ほどで鉢いっぱいになってしまったので、三周りでもまだ足りないように思います。
通常、鉢植えでは植物の大きさに見合ったサイズの鉢に植えるべきで、大きすぎる鉢では生育が悪くなるそうですが、悪くなる原因は土量が多すぎることからくる過湿だけでしょうか?他に気をつけることはありますか?
また、1本の根がどれくらい伸びるのか成長を追いかけてみたいのですが、根に印をつけるとしたら何を使えばいいでしょうか?
よろしくお願いします。
れいに さん:
みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
1485のご質問の続きのようですが、ご質問は最後の二節と思いますのでそれに対してお答えします。「大きすぎる鉢では生育が悪くなるそうですが、悪くなる原因は土量が多すぎることからくる過湿だけでしょうか?」とありますが、どのような根拠でそのように思われるのかが分かりません。自然に生えている植物は、極端な言い方をすれば無限の土量の中で生育しています。根を中心に考えると、土壌からの水と栄養素の供給量が生育に大きな影響を及ぼします。ですから土量が無限にあれば水と栄養素の供給が安定した状態にあると考えるべきです。このような状態がその植物にとっての定常状態でそのときの生育を基準に考えなければなりません。(誤解を避けるために付け加えますが、畑地、水田などに栽培する作物群落では1個体あたり無限の土量ではありません)「小さな鉢に植えると生育がよくなる」ということを私は理解できませんが、もしもあるならば、鉢植えによるストレスと栽培管理上の問題によるもの
かもしれません。鉢植えによるストレスで栄養成長が抑制気味になり生殖成長への移行が早くなって花が咲きやすくなったことを「生育がよい」としたとも考えられますし、大きな鉢と小さめの鉢とでは、同じ栽培管理を行っても植物側にとっては同じ条件にならなかったとも考えられます。
土壌に栽培する植物の根の成長を調べるために印をつける方法はないと思います。茎では、インディアンインク(製図用の黒インク)で印をつけて成長を調べる実験はよく行われますが、根では水と土壌粒子との摩擦の影響を受けるため良い方法はありません。実験的には、定期的に根を傷つけないように掘り起こし、水で丁寧に洗って根系を露出させて計測するとか、ガラス面をつけた特別な栽培鉢の中で生育させてガラス面で観察できる根の成長を計測するとかなど工夫をこらしています。いずれにしろ、対象とする植物の種類や生育特性、生育段階などに応じた方法を考える必要があります。
みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
1485のご質問の続きのようですが、ご質問は最後の二節と思いますのでそれに対してお答えします。「大きすぎる鉢では生育が悪くなるそうですが、悪くなる原因は土量が多すぎることからくる過湿だけでしょうか?」とありますが、どのような根拠でそのように思われるのかが分かりません。自然に生えている植物は、極端な言い方をすれば無限の土量の中で生育しています。根を中心に考えると、土壌からの水と栄養素の供給量が生育に大きな影響を及ぼします。ですから土量が無限にあれば水と栄養素の供給が安定した状態にあると考えるべきです。このような状態がその植物にとっての定常状態でそのときの生育を基準に考えなければなりません。(誤解を避けるために付け加えますが、畑地、水田などに栽培する作物群落では1個体あたり無限の土量ではありません)「小さな鉢に植えると生育がよくなる」ということを私は理解できませんが、もしもあるならば、鉢植えによるストレスと栽培管理上の問題によるもの
かもしれません。鉢植えによるストレスで栄養成長が抑制気味になり生殖成長への移行が早くなって花が咲きやすくなったことを「生育がよい」としたとも考えられますし、大きな鉢と小さめの鉢とでは、同じ栽培管理を行っても植物側にとっては同じ条件にならなかったとも考えられます。
土壌に栽培する植物の根の成長を調べるために印をつける方法はないと思います。茎では、インディアンインク(製図用の黒インク)で印をつけて成長を調べる実験はよく行われますが、根では水と土壌粒子との摩擦の影響を受けるため良い方法はありません。実験的には、定期的に根を傷つけないように掘り起こし、水で丁寧に洗って根系を露出させて計測するとか、ガラス面をつけた特別な栽培鉢の中で生育させてガラス面で観察できる根の成長を計測するとかなど工夫をこらしています。いずれにしろ、対象とする植物の種類や生育特性、生育段階などに応じた方法を考える必要があります。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2007-12-17
今関 英雅
回答日:2007-12-17