一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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斜面に生える木の年輪幅の違い

質問者:   一般   マルテス
登録番号1504   登録日:2007-12-23
急斜面に生える木は、根本がよく曲がっていますが、「針葉樹では斜面下側の
年輪幅が広くなり、広葉樹の場合は斜面上側で年輪幅が広くなる」と本で読ん
だのですが、どのようなメカニズムの違いによるのでしょうか。
マルテス さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
斜面に生育している樹木ではご質問のようなことが観察されます。樹木の主幹は重力の方向と反対方向に成長する性質(負の屈地性)を持っています。斜面などで主幹に働く力が、斜面下側に押しつけるように働いて主幹が斜めになると、その後の成長で主幹を直立させるために樹体を「引っ張り上げる」か「押し上げる」力を持たなければなりません。このような状態で成長し続けると直立した樹体はますます重くなりますが、斜めになった主幹の部分は直立できませんのでその部分に重い樹体を支える十分な力をもつ構造をもつことになります。このような特別な構造をもった材を「あて材」といいます。実はこのご質問の内容は、登録番号1417とまったく同じことなのです。そこでの柴岡先生の詳しい回答がこのご質問の回答にもなりますのでご覧になってください。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2008-01-10
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