一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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苔の二酸化炭素吸収量(率)

質問者:   一般   えみちゃん
登録番号1515   登録日:2008-01-12
登録番号1320『酸素を多くつくる植物は、ありますか? 』
との質問に対して、佐藤 公行(JSPPサイエンスアドバイザー)様が・・・
〜以下、一部抜粋・引用(回答)〜
『ただ、良く成長する植物が選べたとしても、地球温暖化の視点からは、次のような問題が残っています。すなわち、成長した植物体(あるいは落ち葉)を、その後どのように取り扱うかと言うことです。成長の終わった植物体をゴミや燃料として何処かで燃やすとすれば、今度は、大気中の酸素を消費し、大気中に二酸化炭素を放出することになります。』
〜以上、一部抜粋・引用(回答)〜
とご回答された質疑応答を拝見いたしました。
わたしも、最近になって(遅いのですが・・・)環境のことをすこし考えるようになり、すこしでも温暖化防止のためになればと思い、「小さな」取り組みのひとつとして植物を育てることにしました。インターネットでいろいろ調べた結果、「苔」の栽培をしてみることにしました。
そこで、LCA(Life Cycle Assessment)を考慮したうえで、一般的な観賞用の「苔」が、一般家庭で育成された場合の生涯二酸化炭素吸収量がどの位なものなのか?教えていただけば幸甚です。
えみちゃん さん

本質問コーナーに関心をお持ち下さりありがとうございます。
植物は、光合成の過程で二酸化炭素を吸収し、呼吸の過程で逆にこれを放出します。このため、大まかには、光合成により吸収された二酸化炭素(または炭素)の量から呼吸により放出された二酸化炭素の量を差し引いた残りが、有機化合物として植物体を構成していることになります。植物の生涯にわたって光合成や呼吸の速度を測ることは簡単ではありませんが、植物体の乾燥重量や炭素含量から見積もられる“有機物の蓄積量”が、呼吸による放出を相殺した“差し引きの”二酸化炭素吸収量の目安となります。ただし、Life Cycle Assessment(LCA)”と言う視点からは、問題のコケの生涯がどこで終わるのか、また、生涯を終えたコケの死骸はどのように扱われるのかなどが問題になると思います。具体的な数値をお教えすることが出来ませんが、回答とさせていただきます。

コケは面白いですね。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2008-01-31
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