一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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レタスの結球のメカニズム

質問者:   一般   レタス
登録番号1517   登録日:2008-01-13
水耕栽培で結球レタスの栽培を試みていますがうまく結球しません。
レタスの結球するメカニズムと早く結球させる方法があれば教えてください。
また、水耕栽培での結球野菜の事例がないようなのですがなぜなのですか。
レタス 様

回答が大変遅くなってしまいまいごめんなさい。蔬菜の栽培のことは一般論では扱えない事が多く、研究も作物の種類別に専門家がいるようです。今回は結 球性レタスの水耕という特殊な例ですのでいろいろと調べてみました。研究報告は見つけましたが、その内容まで見ることはできませんでした。農業施設学 会と言うのがあり、そこの年会で1993〜4年頃、以下のような研究が報告されています。
「結球レタスの水耕栽培システムに関する研究1〜3、小島孝之、松田伸志」 詳しいことは学会の事務所に直接連絡して聞いてみて下さい。(029-838-8840、general@sasj.org)
結球野菜の栽培や結球メカニズムに関しては「蔬菜園芸学-マメ科・根菜・葉菜編 斉藤隆著 農山漁村文化協会(昭和58年)、第8章 葉球形成」が参考なるでしょう。また、「野菜の生育調節 第2章 葉菜類の結球野菜(キャベツ、ハクサイ、レタス)加藤 徹、博友社」、「葉菜類の結球現象 北条良夫・星川清親編、作物-その形態と機能.下巻 農業技術協会(1967)」等の本もあります。もし入手できれば、日本農芸化学会の雑誌で、「化学と生物12:844-850(1974)」に「レタス、ハクサイはなぜ巻くのか(加藤哲)」と言う論説があります。参考にしてください。
結球野菜の結球性は遺伝的に決まっているようですが、栽培では、日照時間、照度、気温に大きく影響を受けるようです。結球の開始は外葉の立ち上がりと関係があり、外葉によって内部の葉が十分は光を受けないと、結球が進みます。だから、外葉を除去したりして、内部に光が当たるようにすると結球は遅れることになります。したがって、内部はへの日照の強度や時間の調節が一つの鍵となるようです。外葉の立ち上がりは光に反応する植物ホルモンの調節を受けていると思われるので、各種の植物成長調節剤の散布を実験も実験もるようです。
今回の質問に関しては茨城大学農学部植物生産科学の久保山勉先生に文献の紹介をいただきました。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2008-02-29
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