一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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竹の内部にある薄い皮はなに?

質問者:   自営業   星の王子
登録番号1528   登録日:2008-01-24
門松や道祖神、七夕様などで使う竹(孟宗竹や真竹など)を切ったり割ったりすると中側に紙のような薄い白い皮があります。この皮はなんと言うものなのでしょうか?またどんな働きをしているものなのでしょうか?この皮が無いと竹は生きていけないのでしょうか?また、節と節の間は空洞になっていますが、どんな物質が存在していて、その物質はどんな働きをしているのでしょうか?よろしくお願いします。
星の王子 さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
竹などのように節と中空の節間をもつ茎は桿(カン)と呼ばれますが、竹の若い茎(筍)では、その先端部で見られるように節間の中央部は中空でなく柔組織で埋められています。桿が成長するにしたがって中央部の柔組織が崩壊して髄腔が形成されます。髄腔の内壁は数層の折線方向に長い柔細胞が並んでいて、維管束や繊維細胞はありません。この内壁を形成している柔細胞は細胞壁が肥厚したりリグニン化を起こしたりします。その状態によって細かい凹凸の表面になったり、なめらかな表面となったりします。これらは竹の種類によって違います。モウソウチクでは数層の柔細胞の細胞壁が肥厚して膜状になります。この膜状のものは髄腔膜と呼ばれ、髄腔に接着したままの場合やはがれるものもあります。どの場合でも髄が崩壊した後に形成される皮膜で保護的な役割をもつと考えられます。節間の空洞内は茎の組織を介して外気と連続していますので空気です。しかし、空洞内には茎組織が合成する揮発性の物質が蓄積する傾向はあります。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2008-01-31
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