一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

チェックリストに保存

植物の雑種のでき方について

質問者:   高校生   腕時計
登録番号1534   登録日:2008-01-29
5年ほど前の事なのですが、僕の通っていた幼稚園で黄色いナスのような果実がなっている植物を見ました。その幼稚園の先生にこれは何か尋ねた所、その果実はナスのめしべにカボチャの花粉が受粉してできてしまったそうです。ナスはナス科でカボチャはウリ科という全く異種の植物なので信じがたいのですが、このように、めしべに異種の植物の花粉が受粉すると雑種ができてしまうのでしょうか?
腕時計君

ようこそ質問コーナーへ。質問にお答えします。

雑種はふつう近縁の種の間でできます。異なる科に属する種のあいだで自然交配が起きることはありません。おっしゃるように、ナス科のナスとウリ科のカボチャの間で交雑は起きません。黄色いナスは別に珍しい物ではなく、タイ国などではさまざまな色のナスが栽培されているようですので、誰かが持ち込んだ外来のナスかもしれませんね。日本でも以前玉子ナスという品種が栽培されていたようで、これは小型のナスで白色、銀色、金色を呈しますので、その品種がたまたま栽培されており、それが黄色に見えたのかもしれません。もし、君が見た植物体で、他の果実(ナス)はふつう通り青黒く、一つだけが黄色だったとすると、その果実だけ何らかの理由で色素形成が異常だったのかもしれません。黄色いナスというと直ぐ思い浮かべるのは、フォックスフェイスナスあるいはカナリアナスと呼ばれている観賞用の面白い形をしたナスですが、それではありませんね。
幼稚園の先生はきっと君をからかったのでしょう。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2008-02-18
植物 Q&A 検索
Facebook注目度ランキング
チェックリスト
前に見たQ&A
入会案内