一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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世界三大穀物

質問者:   大学生   大
登録番号1585   登録日:2008-04-16
世界三大穀物である、稲、小麦、トウモロコシはどれも単子葉類です。単子葉類にはあまり木となるものが見られなく双子葉類よりは(例外をのぞき一般的に)発達しているように思えます。やはり生産効率がいいとか、なにか具体的な理由はあるのでしょうか?
大 さん

確かに、イネ、コムギ、トウモロコシは、どれも単子葉植物で、すべてイネ科の植物です。しかし、これらの植物(作物)も、元をたどれば穀物生産効率の低い野生種で、作物として現在私たちが目にするものは、ヒトによる育種の結果つくりだされたものと考えられます。したがって、単子葉植物をそのまま穀物の生産効率がいいと結び付けることは出来ないと思います。イネ科植物などにはC4型の光合成を行なうものが多く、光合成活性の高いものが含まれています。しかし、単子葉植物が双子葉植物に較べて一般に生産性が高いと言い切ることは出来ません。
質問文に書かれているように、単子葉植物にもヤシやタケなどのように大きな“木”になる場合もありますが、大部分は草本です。多くの単子葉植物が草原に生育し、優占種となっている場合が多くあります。単子葉植物はそのような環境での生育に有利だということになりますが、その理由として、先ず一つは、細長い形状の葉をしていることにより異なる方向から来る光を有効に吸収できることがあげられます。
単子葉植物の根や茎も特徴的ですので、そのような視点からも考えてみて下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2008-04-21
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