一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ショ糖の検出方について

質問者:   教員   ヤム
登録番号1604   登録日:2008-05-07
6年生の理科の授業で,光合成を扱います。常にでんぷんができるのではなく,ショ糖ができることも伝えたいと思うのですが,光合成でできたショ糖を簡単に検出できる方法があれば,お教えください。
ヤム さん

ご質問をありがとうございます。小学生を相手に意欲的に授業に取り組まれておられるご様子ですね。

デンプンの場合と同じように、葉の上でショ糖を検出することが出来るとよいのですが、それはかなり難しいようです。主な理由は、ショ糖が非常によく水に溶けることと、適当な呈色反応がないことによります。

一方、水に溶け出してきたショ糖(植物体の絞り汁または水抽出液中のショ糖)を検出する方法にはいろいろあります。比較的簡単なやり方は、葉の絞り汁をつくり、次いで酸を用いてその中に含まれるショ糖をブドウ糖と果糖に加水分解し、この分解産物をべネジクト液(またはフェーリング液)と呼ばれている試薬で検出するものです。この方法は教材としても開発されているようですが、かなり薬品を使うし複雑な操作を伴いますので、小学生には無理ではないかと思います。

ところで、サトウキビの茎や柿の果実などに蓄積するショ糖は、植物体をかじって味わうことができますね(サトウキビの茎の絞り汁中にはショ糖が実に20パーセントも含まれていることがあるそうです)これに対して、糖葉と呼ばれる葉などの場合でも、ショ糖の濃度が低いので、噛んで甘さを確かめるのは一寸無理だと思います。

なお、複雑な物理学的な機器を用いて糖の含量を推定する方法がないわけではありませんが、ここでは論外としておきます。 モモなどの果実の熟度(甘さ)を計る“糖度計”と呼ばれる簡単な測定器も市販されていますが、これを活用するには問題が多いと思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2008-05-14
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