一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ショ糖の貯蔵

質問者:   その他   神力
登録番号0162   登録日:2004-11-18
質問コーナーの有意義さに感服しながら眺めている者です。
今回初めての新参の質問者ですがよろしくおねがいします。

早速ですがサトウキビなどに含まれているショ糖はどこに蓄えられるのでしょうか?
浸透圧の問題はどのように解決するのでしょうか?ぜひとも宜しくお願いします。
神力さま

 サトウキビは茎の柔細胞にショ糖を、リンゴなどの果実は果肉細胞にショ糖や果糖を高濃度に蓄積します。これらの糖は細胞の中の「液胞」に隔離・蓄積されており、場合によっては液胞内の糖濃度が1 M近くにもなります(液胞の機能については別の質問項目に詳しい解説がなされているので、そちらを参照して下さい)。このように液胞の中に糖を高濃度に隔離・蓄積するには、液胞の膜に糖の能動輸送体が存在することが必要ですが、未だその遺伝子は特定されていません。液胞に糖を隔離することによりサイトゾル(細胞質)の糖濃度は液胞より低く保たれていますが、それでも数百mMになります。このような高浸透圧に対応するためか、成熟果実では浸透圧ストレスをはじめとした多数のストレス応答タンパク質が発現しています。サトウキビの場合は茎が貯蔵器官であり、そこを通る導管の水が貯蔵組織の浸透圧に引っ張られないように、物理的に隔離されています。
名古屋大学
 白武 勝裕
回答日:2008-07-10
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