一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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光合成の授業

質問者:   教員   やむ
登録番号1631   登録日:2008-06-04
 6年生の理科の授業で、光合成を扱います。その際、でんぷんを作る物もあるが糖を作る物もあることも伝えたいと思っています。
 そこで、質問です。

 ・ 前日の夜に葉っぱをちぎると、できたでんぷんはそのまま葉に残っているのでしょうか。
 ・ 日陰に育つシダも光合成をするそうですが、日向に置いても光合成をしますか?(枯れませんか?)
 ・ 切って花瓶に挿した状態でも、光合成は行うのでしょうか?

よろしくお願いします。
やむ さん

再びご質問をお寄せ下さりありがとうございます。授業(実験)に向けて思いをめぐらせておられるご様子が伝わってまいります。

ご質問を(1)-(3)とさせて頂きましたが、いずれについても、先ず、ご自分で予備実験をして見られることをお勧めします。

(1) について言えば、根などへの転流が妨げられているので、葉におけるでんぷんから糖への変換が抑制され、でんぷんが残ることが期待されと考えることが出来ます。しかし、その程度は植物の種類や実験条件によって大きく変わってくると思いますので、使われようとしている材料について確認して見られると如何でしょうか。
(2) について言えば、一般的に、陰地に育つ植物は強い光には弱いです。過剰な光は光合成系には有害で、最終的には、クロロフィルなどの光合成色素の破壊、植物体の枯死などに至ります。これも程度の問題ですので、徐々に光の強い条件に移すなど試みてみて下さい。
(3) について言えば、“Yes”です。切って花瓶に挿した状態で光合成の機能が停止してしまうことはありません。しかし、植物体全体にとっては正常な状態ではないので、でんぷんの蓄積などに変化が生じるかも知れません。ただし、植物によってはやがて根を出して完全な植物体に育つこともあります(花瓶の中の培養液にもよりますが)。

何れにしても、でんぷん検出の実験については、先ず、典型的な材料について丁寧な解析を進めることが良いのではないかと私は思います。
糖の検出の方はうまく行っておりますか。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2008-05-27
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