一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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リュウゼツランについて

質問者:   会社員   higashi
登録番号1639   登録日:2008-06-04
近所で『リュウゼツラン』と思われる植物が幹を伸ばし始めています。
今現在では3m位なのですが、是非とも開花した際には見に行こうと思っています。しかし、調べてみるものの、100年に一度しか咲かないとうたっていても、日本では30〜60年に一度などと情報がまばらです。そこで『リュウゼツラン』についての基本的なことが知りたいと思い、質問させていただきました。

①今からだとどれ位の期間があれば開花までいたるのか。(現在約3m)
②幹が伸びてきた段階で、必ず開花するとわかるものなのか。
③平均はどれくらいまで幹は伸びていくのか。
④花が咲き終わった後の株は腐っていくのか。(伐採しないといけないのか)
⑤同じ株からは二度と花は咲かないのか。
⑥本当は何年に一度のものなのか。
⑦個人で栽培するのは難しいのか。

沢山ありまして申し訳ありませんが、教えていただきたいです。
宜しくお願いします。

higashi
higashi さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。

現物を見ないで「『リュウゼツラン』と思われる植物」についてお答えすることはたいへん危険なことですが、ご質問の内容から推察してリュウゼツランそのものと思います。開花するのが珍しく、またたいへん大型なので咲くと新聞だねになりますね。葉の縁が斑入りになったものが多いですが、斑のない緑一色のものはアオノリュウゼツランとも呼ばれています。メキシコ原産の植物で、テキーラの原料にもされていますね。

幹といわれているのは花茎といって花を支える茎です。その上の方に花をつけます。花茎が出始めれば必ず花を咲かせますが、牧野新日本植物図鑑によれば「数十年を経た株では、高さ6〜9mに達する」とされています。今、3m位であれば、7-8月には咲くのではないかと思います。私の地域でも毎年、どこかで花が咲きますが見上げるほどの高さの円筒形花茎の上の方にたくさん黄色い花を咲かせます。一度開花した株は枯れます。草本類は一度開花すれば、少なくとも地上部は枯れます。それと同じことです。ただ、開花するまでにかなり長い時間(栄養成長期間)を必要とするものです。センチュリー・プラント(Century Plant)とかマンネンラン(萬年蘭)といわれていますが「めったに咲かない」ことを表現したものです。開花年齢は決まったものではなく、生育地の気候、栄養状態などに大きく影響されますので個体差があります。リュウゼツランの開花年齢を調査した例を見つけられませんでしたが、数十年は必要といった程度でしょう。関東以南であれば植物園、公園などで栽培していますし、管理が難しいものでもありませんのである程度の場所さえあれば個人で栽培することは困難なことではありません。路傍にあって開花した個体を見たこともあります。最後に、枯れた植物体は次第に乾燥しますが、花茎は大型ですから人家の近くで咲いたものは切り倒した方が安全ですね。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2008-06-06
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