一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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カイワレダイコンの養分吸収について

質問者:   会社員   チコゾウ
登録番号1641   登録日:2008-06-06
農業をしております。カイワレダイコンを作っています。作っていて不思議に思うことがあったので質問させてください。発芽については本に載っているのですが、発芽後から本葉を出すまでについて調べれませんでした。知識がなく初歩的な質問で申し訳ありませんが教えていただきたいです。
①発芽には水、温度・必要・光等の条件が影響すると他の質問の回答に書いてありました。発芽に肥料(N.P.K等)は必要ないのでしょうか?
②井水だけで1週間ほど育ててみましたが葉の色が肥料を使用したものに比べて薄くなりました。他の回答に光合成を行い始める時期から肥料が必要であることが書いてありました。大根は発芽をしてからどれくらい経過した時点で肥料を必要とするのでしょうか?
チコゾウ様

“みんなのひろば”へのご質問ありがとうございました。担当の柴岡と申します。カイワレダイコンについて勉強したことがないので、きちんとしたお答えが出来ないかも知れませんが、一般的なことを書いて見ようと思います。発芽は種子が水を吸ったことで始まります。発芽は種子の中の細胞が水を吸ったことにより体積を増大させることで起きているのです。ですから発芽そのものには肥料は不要です。ですけれど、発芽した芽生えが生長するためには肥料が必要です。種子に貯えのある場合(貯蔵物質を持っている場合)、発芽後、しばらくは生長できますが、生長を続けることはできません。発芽直後の生長に最も有効なのは窒素肥料です。それは肥料の中で芽生えの生長に最も多量に使われるのが窒素だからです。チコゾウ様ご自身で経験なさっておられることですが、窒素が不足すると葉の緑が薄くなります。それは窒素が不足したためにクロロフィル合成が充分にできなかったからです。肥料は光合成を始める頃から、というより光合成を始めるための準備をする頃、すなわちクロロフル合成を始める頃から与えた方が良いと思います。私は現職のころアズキの芽生えを使って研究をしていました。アズキの種子は貯蔵物質を沢山持っていますが、それでもなお発芽時に与えた窒素肥料は芽生えの生長に有効でした。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2008-06-11
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