一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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ひまわりは何故かれるのですか?

質問者:   一般   hiroyuki
登録番号1667   登録日:2008-06-25
ひまわりは秋に枯れてしまいますがそれは何故でしょうか?
寒くなるからでしょうか?
もしそうなら、温室で栽培すれば年を越しますか?
それでも枯れるとしたら種を残したから、世代交代の為でしょうか?
もしそうなら、花芽ができるた度、全ての花芽を掻き取ってしまって、温室栽培したらどうでしょうか?
それでもやはり枯れてしまうとしたら何故枯れてしまうのでしょうか?
よろしくお願いいたします。
hiroyuki さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
草本植物には一年生(二年生を含む)か多年生か、という分け方がありますが、植物の種類や生育環境によって見かけが変わります。ヒマワリは春蒔き一年生の植物で、春に発芽し、その年のうちに種子を形成して一生を終える植物です。春蒔き一年生植物が秋に枯れるのは何故かですが、一般的には開花とそれに続く結実に多大のエネルギーを消費すると同時に秋には光合成活性が低下して栄養成長を継続できなくなるので老化、枯死すると考えられています。ダイズやエンドウで多くの実験が行われ、花や若い果実(ポッド)を除去しつづけると、栄養成長が継続され、老化が大幅に遅れることははっきりしています。しかし、どのくらい栄養成長をしつづけるかは複数年にわたった研究がないので分かりません。一年生といわれる植物も温度などの環境条件がよければ多年生的な性質を示すこと、逆に熱帯地域で多年生の植物を温帯地域で栽培すると一年生の性質を示すことがありますので、環境条件が重要な要因となっていることは明らかです。ヒマワリも温室内で栽培し、つぼみを摘み取れば自然の状態よりも長生きすることは十分予想されます。実験をなさったら如何でしょう。面白いことが分かるかもしれません。進化的に植物はもともと多年生だったものが生育環境の多様化にともなって一年生植物が現れてきたと解釈されています。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2008-06-30
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