一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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被子植物の胚のう形成

質問者:   教員   mihhy
登録番号1679   登録日:2008-07-03
 高校で生物を教えています。被子植物の配偶子形成から重複受精に至る過程は複雑で生徒が分かりにくいところです。一連の過程の冒頭の部分で、胚のう母細胞が減数分裂して胚のう細胞(大胞子)が形成されます。このとき1つの母細胞から生じる胚のう細胞は1つであり、減数分裂の過程で生じる残りの3つの細胞は退化します。
 質問は、これら4つの細胞の分化のタイミングです。高校の教科書や資料集を見ると、①動物の卵形成過程で極体が生じるのと同様に細胞質分裂が不等割に記述されているものと、②細胞質分裂自体は等割で4つの同じ大きさの細胞がいったん生じ、その後3つが退化するように記述されているものの二通りがあるようです。どちらの教え方がよいのでしょうか。
mihhy様

質問コーナーへようこそ。歓迎いたします。
[回答]
胚のう母細胞は減数分裂で4つの半数体(単相)細胞を生じます。第一分裂は胚珠の軸に直角に起きますが、第二分裂は直角に起きる場合と、平行に起きる場合とがあります。しかし、通常は直角に起きて4つの細胞のサイズは同じで線状に縦に並ぶことになります。しかし、通常一番奥の細胞だけが肥大化して胚のう細胞となり、残りの三つの細胞は消滅します。
高校の教科書では不等分割するような図をあげているものもあるようですが、これは一つが残り、三つが退化するすることを示すためのものでしょう。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2008-07-08
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