一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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C4植物について

質問者:   高校生   まい
登録番号1682   登録日:2008-07-06
はじめまして。こんにちは。
先日学校でC4植物について学び、理解を深めるために調べていたところ、このサイトにつきました。
登録番号0029の質問を読んでいて疑問を持ちましたので質問します。
C4植物はrubiscoを持っていると書いてありましたが、C4植物がrubiscoを利用して二酸化炭素を固定することはあるのですか?それとも別の酵素が働くのでしょうか?
教えていただけたら幸いです。
まい さん

高校の授業で光合成の勉強が始まったのですね。
“固定”と言う言葉が時としてあいまいに使われ、混乱を生みます。
C4植物では、葉肉細胞で二酸化炭素を有機化合物の中に取り込み、リンゴ酸やアスパラギン酸など(C4化合物)の形にします(外界の二酸化炭素を植物体内の化合物に取り込むと言う意味で“固定”と呼びましょう)。次いで、リンゴ酸やアスパラギン酸などの化合物は、維管束鞘細胞に“輸送”され、そこで分解されて、二酸化炭素を生じます。
維管束鞘細胞内に生じた二酸化炭素は、C3植物の場合と同様に、Rubiscoの働きによりRuBP(リブロースビスリン酸)と反応してPGA(3-フォスフォグリセリン酸)になります。すなわち、C4植物も、Rubiscoを利用して二酸化炭素を固定しているのです。Rubiscoにより固定された二酸化炭素は、それに引き続く反応により、植物体を構成する糖やデンプンなどに変換されます(植物体を構成する物質と“同じものになる”ことを“同化”と呼びます)。繰り返すと、Rubiscoによる反応はC3植物とC4植物に普遍的です。
私の説明を読んで下さったところで、もう一度、登録番号0029を読み直してみて下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2008-07-08
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