一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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アサガオなどの葉柄について

質問者:   教員   F.I.
登録番号1703   登録日:2008-07-21
アサガオなどヒルガオ科やウリ科のつる性の植物の葉柄を観察すると、光や重力を刺激とする屈性があるように見えます。これらの葉柄の屈性について、詳しく調べられた研究があるのでしょうか?教えていただきたく質問いたしました。
F.I.さま

“みんなのひろば”へのご質問有難うございました。葉が光や重力に反応して屈性運動を示すことは、つる植物に限ったことではなく、身近な多くの植物で見られます。
ハクサイを縦半分に切って切り口を上にして置いておいて下さい。中心付近の葉がこぞって立ち上がって来ます。ヒマワリの葉の位置を朝、昼、夕方で比べて見て下さい。
あの大きな葉が太陽の移動につれて位置を変えているのが分かります。このような運動は、葉あるいは葉柄のある側とそれとは異なる側の生長に違いがあることによって生ずる生長運動です。葉や葉柄の運動も茎の運動と同様にオーキシンの分布に差が生じることによるものと考えられています。葉や葉柄の重力や光に対する反応は、茎の重力や光に対する反応と基本的には同じもので、横に寝かされた場合には上側から下側へ、光照射された場合には照射された側から影側にオーキシンが移動し、下側あるいは影側のオ-キシン濃度が高くなるからと考えられていますが、詳しい研究はありません。登録番号1700の質問の回答の中に書きましたが、葉の運動で葉柄に光が当たらなくしておいても起きる場合があります。ヤツデの葉の縦半分をアルミホイルで覆い、残り半分だけに光が当たるようにしますと、葉は光の当たっている側に動きますが、このとき影にされた葉から葉柄に送られるオーキシンの量が、光の当たっている葉から葉柄に送られるオーキシンの量より多いことが報告されています。登録番号1700の回答も見て下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2008-07-25
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