一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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桃色の花の色は遺伝するか

質問者:   教員   てりー
登録番号1705   登録日:2008-07-23
ヒナゲシ、ホウセンカ、ヤグルマソウの桃色の花から種をとりました。蒔いたところ、いろいろな色の花が咲きました。なぜですか。
てりー様

“みんなのひろば”へのご質問ありがとうございました。頂いたご質問の回答を花の色がご専門の名古屋大学の吉田久美先生にお願い致しましたところ、以下のようなご回答をお寄せ下さいました。ご回答の中にもありますように、ご質問の内容の細部について、不明な点があり、以下のような一般的な回答になってしまいましたが、ご参考になれば幸せです。

吉田先生のご回答
いろいろというのが、どんな色かわからないのと、一つの植物体からとれた種なのか、何本かの桃色の花から取った種かが不明なため、一般的なお答えしかできませんが、ご了承ください。

まずひとつは、桃色の花がF1(雑種第一世代)だった場合、F2は、ある一定の割合で、優性と劣性の形質が分離して現れます。花の色の遺伝も同様ですので、その可能性が考えられます。

あるいは、アサガオでよく観察されますが、トランスポゾン(動く遺伝子)が色素の生合成系の酵素遺伝子などに挿入されたり中で部分的に起きることが多くセクターに分かれて色が違ったり、絞り模様になったりする場合があります。

また、種苗会社から購入した種の場合には、間違って別の品種(花色)の種が
混入していることがときどきあります。
そうなると、それらが交雑して、より複雑になる場合もあります。

あるいは、全くの突然変異現象によるものかもしれません。

吉田 久美(名古屋大学)
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2008-07-30
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