一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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タバコの害によるカイワレ大根の成長の違い

質問者:   小学生   あやや
登録番号1735   登録日:2008-08-11
よくタバコの害を調べる実験とてかいわれ大根を使って、タバコの葉を水溶液にいれ発芽実験を行っているのを見聞きしますが、結果は普通の水栽培と比べて著しい成長に差がでますが、これは、植物の成長とタバコの何が原因でこのような結果を招くのか教えてください。お願いします。
あやや さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
タバコの葉の中にはニコチンというアルカロイドが含まれています。タバコを吸うと習慣になるという原因の物質です。アルカロイドは植物で作られますが、動物にも植物にも外から与えると毒となる成分です。ニコチンも動物が飲めば中毒をおこしますし、かいわれダイコンに限らず植物の種子や芽生えに与えると発芽や成長を抑える作用があります。タバコの葉を水の中ですりつぶすとニコチンをはじめいろいろな成分が水の中に溶けだしてきますので、その水のなかでかいわれダイコンを育てると生育が悪くなるのです。でも少ない葉をたくさんの水の中でつぶすとニコチンの濃度が低くなりますので生育を悪くする働きはなくなることも知っておいてください。
あややさんのご質問はタバコの葉についてでしたのでニコチンの毒性が大きいのですが、他の成分の働きもあるかもしれません。アルカロイドを含まない他の植物のつぶし汁(ジュース)の中に、外から与えると他の植物の発芽や生長を悪くする成分が含まれている例はたくさんあります。それらの原因物質にはいろいろな種類があります。野菜、果物や身近にある野草などのジュースをつくって、かいわれダイコンの発芽への影響を調べると面白い夏休みの自由研究になるのではないでしょうか。意外な植物につよい抑制物質があるかもしれません。このとき、ジュースの濃度には気をつけてください。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2008-08-12
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