一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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あさがおのつるの色

質問者:   小学生   朝野ひろき
登録番号1758   登録日:2008-08-26
あさがおの観察をしています。最初は緑色のつるが、だんだんと硬くなって赤茶色になります。こんなふうに変化するのはどうしてですか?
ぼくはたくさんのはっぱを支えるために強くなるのかなぁと思ったり、太陽に長く当たっているとこんな風になるのかなぁと思ったりしていますが、どの本にも書いてありません。どうぞよろしくお願いします
朝野ひろき君

“みんなのひろば”へのご質問ありがとうございました。アサガオのつるが緑色でなくなってくること、かたくなってくることに良く気がつきましたね。緑色だったのが緑色でなくなって、赤茶色になるのは、アサガオのつるだけでなく、色々な植物の葉でもそうでしょう。秋の落ち葉を思い出して下さい。アサガオの“つる”はアサガオの茎ですが、茎も葉も小さな部屋のような細胞(さいぼう)と呼ばれているものが集まってできています。若い茎や葉が緑色をしているのは、茎や葉の細胞の中にある葉緑体という炭酸ガスと水からデンプンを作る働きをしているものの中に、緑色のクロロフィル(葉緑素ともいいます)というものが入っているからです。このクロロフィルは細胞がとしをとってくると壊れて色のないものになってしまうので、茎や葉は緑色でなくなるのです。また植物の細胞の中では、としをとってくると枯葉色のものができてくるので全体として赤茶色になってしまうのです。次に茎(つる)がかたくなることについて書きましょう。茎や葉が小さな部屋のような細胞でできていることを書きましたが、部屋が“かべ”でかこまれているように細胞も細胞壁(さいぼうへき)という“かべ”でかこまれています。細胞壁は細胞が若い時にはうすくてやわらかいのですが、年をとるにつれて、あつくなり、かたくなってきます。茎が立っているふつうの植物では、茎がかたくなることは葉を支えることに役立っていると思いますが、アサガオのように何かにまきついている場合には、葉を支えるためにかたくなったと考えるよりは、としをとったのでかたくなったと考える方がよいと思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2008-09-01
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