一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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朝顔の花の色が天気で変わる

質問者:   小学生   みいくん
登録番号1763   登録日:2008-08-31
朝顔の花の色が朝は青い色でした。晴れの日の午後は同じ色なのに、曇りの日の午後は紫色に変化していました。
みいくん さん

このコーナーにご質問ありがとうございます。アサガオの花の色を注意深く観察したのですね。この質問には、花の色について詳しい名古屋大学の吉田久美先生がお答え下さいました。ご参考にして下さい。


(吉田久美先生からの回答)
まず、なぜ色が見えるかについて、お話したいと思います。
そもそも、色が見える仕組みは、例えば花に光(外なら太陽の光、家の中なら蛍光灯などの光)があたると、花の成分(ここでは色素)があたった光の中の一部を吸収してしまいます。そして、残りの光を反射して返します。人間はその反射した光を目の中にある細胞で感じて、色として見ています。ですから、花の色は、光の質(どんな波長の光が花にあたっているのか)によって、変わって見えます。

曇りの日に花の色が違って見えるのは、それがもしわずかでしたら、ひょっとして、晴れの日と光の質と量が違ったためかもしれません。

もう一つ、次のことが考えられます。
アサガオの色を青く保つためには、花びらはエネルギーをたくさん使っています。
ただし、生き物ですから、咲き続けているとだんだんくたびれてきて、エネルギーがなくなって、花はしぼんでいきます。このときには、花びらの色は紫色になっていきます。これも、その日の気温におおきく影響され、場合によっては、曇りの日の方が気温が高い時もありますので、そのせいかもしれません。

これを確かめるには、まず、いつ日がでて、気温が何度だったか、それと花の色の違いになにか関係があるかどうかを調べる必要があります。さらに、そのアサガオがもし植木鉢で、ふた鉢あるようでしたら、片方をすこし覆って光りが直接あたらないようにして比べてみてもいいかもしれません。
葉の茂り方や、種をまいてから何日目であるか、また、肥料や土、水や気温など、いろいろな外界の変化に応じて、植物は違った反応をして、生き延びる努力をしています。それらを同じにして、光があたるかあたらないかだけを違えた条件で観察するのが早道ですが、それはとても難しいことです。ただ、こんな目でいろいろよく観察してみてください。何かヒントが得られることと思います。

吉田 久美(名古屋大学大学院・情報科学研究科・複雑系科学専攻)
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2008-09-05
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