一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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植物の不思議について

質問者:   小学生   そうくん
登録番号1768   登録日:2008-09-08
植物の不思議ということで、質問があります。
あじさいの色ですが、水色の花、ピンクの花が咲いていて、それは土が何性 か(酸性アルカリ性)によると聞いたことがありますが、本当ですか?あさがおもですか?
前、1本のあじさいの木に、2色の色の花が咲いているのを見て、不思議に思いました。
>あと、もみじですが、京都のもみじは紅葉の頃になるととてもきれいに色づきますが、ぼくが住む岐阜県の町では、あんなふうに鮮やかな色になりません。あれは、木の種類でしょうか。それとも気温や気候が違うからでしょうか。
教えて下さい。     
>
そうくん さま

アジサイの花の色は、土壌が酸性であるか、アルカリ性であるかによって影響され、土壌が酸性になると土壌のアルミニウム・イオンがアジサイに吸収され、アルミニウム・イオンがアジサイの花の色素であるアントシアニンに結合し、青色になりやすいと考えられています。これらの細かい点については、この質問コーナーの登録番号0779, 登録番号0961, 登録番号1334, 登録番号1340に対する回答に解説されていますので、少し難しいかもしれませんがよく読んで下さい。アサガオの花の色についての同じような疑問についてはまだよく分かっていませんが、これらについては登録番号1684, 登録番号1763に対する回答を見て下さい。

岐阜と京都でのモミジの紅葉がどうして違うのかは、なかなか難しい問題です。住んでおられる岐阜県の町が、北の方の飛騨高地でなく名古屋に近い濃尾平野であるとすれば、京都と海に近い岐阜とは、紅葉を迎える秋の昼と夜の温度差がその一つの原因と思われます。京都は三方を山で囲まれた盆地であるため、岐阜に比べ秋の昼夜の温度差が大きくなります。一般に、紅葉は、秋に快晴が続いた年にきれいになりますが、秋に快晴が続くと、昼間は気温が高くなり、夜間になると雲がないため放射冷却によって気温が低くなります。これは京都のような盆地では、平野部に比べ、昼、夜の温度差がより大きくなります。ではなぜ、モミジが快晴、昼夜の温度差にさらされると、紅葉の赤い色素であるアントシアニンの合成が盛んになるのでしょうか? これについてはまだ良く分かっていませんが、一つの考えはアントシアニンを合成してこれをフィルターとし、光合成をする葉緑体を強い太陽光から守っているとする考えです。これについて詳しいことは、質問コーナーの登録番号0388, 登録番号0976に対する回答を見て下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二
回答日:2012-08-25
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