一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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植物の種

質問者:   高校生   ひかリ
登録番号1795   登録日:2008-09-27
小さいころからの疑問です。
私達が食べている野菜や果物などは種がなければ育ちません。
では、種はどのような成分でできているのですか?
最近とても気になり始めました。
ひかリ さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
ひかりさんは、野菜や果物の他に米、トウモロコシ、豆、ゴマなどを食べていませんか。これらはみんな種子(たね)です。パン、うどん、そば、豆腐、湯葉、食用油なども種子からつくられたものです。これらはヒトにとってとても重要な栄養源ですね。つまり、植物の種子の中には栄養分がたくさん詰まっているのです。植物に花が咲いて、実が実って、種子ができ、その種子を蒔くと芽が出て次の世代の植物ができますね。種子の中にはすでに、次世代の植物の赤ちゃんができています。その周りには肉厚の組織があって栄養分が蓄えられています。この栄養分は次世代の植物の赤ちゃんが芽を出し、自分で光合成をすることが出きるようになるまでの成長に必要な栄養分なのです。蓄えられる主な栄養成分は植物の種類によって違い、イネ、コムギ、トウモロコシ、アズキなどでは主にデンプン(デンプン種子)を、アブラナ、ゴマ、ダイズ、ヒマなどは脂肪(脂肪種子)を大量に蓄えます。タンパク質は窒素源として重要なため、デンプン種子や脂肪種子を含めほとんどの種子がかなりの量を蓄積していますが、特にダイズ、ヒマワリなどは脂肪と同じくらいタンパク質を蓄積しています。次世代幼植物成長のためのものですからデンプン、タンパク質、脂肪の他にビタミン、ミネラルなども含まれています。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2008-09-30