一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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タケの葉の排水について

質問者:   その他   三原道弘
登録番号0180   登録日:2004-12-16
タケの葉の先から水がしみ出て、水滴となって落ちますが、これはどのようなしくみでおこるのでしょうか?
植物にとっては、どのような意味があるのでしょうか。
また、このような排水現象は植物一般でよく見られるものなのでしょうか?
三原 道弘さま

 この排水現象は、多くの植物で見られる出液(溢泌)と呼ばれる現象で、明け方や雨の日など湿度の高い状況下でおきます。仕組みとしては、根が水を地上部に送り出す根圧と呼ばれる力が原動力となっていると考えられます。
通常、植物は根から水と一緒に養分を吸収し、葉の表面にある気孔と呼ばれる小さな穴から水蒸気として水分を排出して生活しています。しかし、湿度が高い状況下では、気孔から十分に水蒸気を出すことが出来ません。そのため、余分な水分を排水組織(タケの場合、ちょうど葉の先端にある訳ですが)と呼ばれる組織から、体の外に排出しているのです。
 湿度の高い状態でも、栄養塩を根から地上部に送り続けるため、あるいは体内の過剰な水を排出するためなどが考えられますが、本当の生理的意味は良く分かっていません。
 イチゴなど葉の縁数カ所に排水組織を持つ植物も多くあります。

 登録番号0037の質問に対する回答もご参照下さい。

 永井真紀子(奈良女子大学)
神戸大学
 三村徹郎
回答日:2008-08-07
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