質問者:
一般
すずき
登録番号1802
登録日:2008-10-03
はじめまして。みんなのひろば
アサガオの葉のつき方
アサガオの葉のつき方について、質問が有りおじゃましました。
小1の息子が持ち帰ったアサガオの植木鉢には、こぼれ落ちたのであろう種から芽が出てそだっております。
秋まきになるのだからか、つるはでないまま花のつぼみをつくりはじめました。
背が低くねじれがほとんどないため、上から見下ろすことが出来ます。
昨日、子どもが
「アサガオは、星☆の一筆書きと同じ順番で、葉っぱがでている」というのです。
びっくりして、調べてみましたが、ほとんどが「互生」とだけ、あるものには、「互い違い」と載っていました。
私にも、我が子のいうように見えるのですが、偶然なのでしょうか?
つるのでていた夏のアサガオも、つるがまいて観察しにくくなければ、もしかしたら、星形に葉がでていたのかなという問いにも、答えてやりたく思っております。
ご助言よろしくお願い致します。
すずき さん:
みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
小1の子供さんは素晴らしいことに気がつかれましたね。すごい観察力だと思います。そして、その表現「一筆書きの星の順番」の正確さにも感服しました。決して「偶然」にそのように見えたのではありません。植物の葉が茎につくつき方を葉序(葉の順序)といい、植物種によってほぼ決まった形式をとります。対生、互生、輪生に大別されますが、輪生は互生の一形式とする考え方もあります。ご存じのように対生は、茎の1つの節から2枚の葉が相対してでる形式ですね。たとえば、次の節に90度回転して1対の対生葉がつけば、上から見て十字形に見えます(シソの仲間のほとんどはこの十字対生です)。一方、互生は1つの節から1枚の葉がでますが、次の葉(ここでは1枚目と数えます)は茎を螺旋状に回ってある角度をもって出ます。この角度が180度であれば、2枚目の葉は最初の葉の真上にきます。つまり、茎を1回転する間に2枚の葉があることになります。この葉のつき方を1/2と表示します。同じように、茎を1回転する間に3枚の葉がつけば(葉と葉がつく角度は120度)1/3と表示します。たくさんの植物の葉序を調べると、葉のつき方は1/2、1/3,2/5,3/8,5/13,8/21・・・・・・のような分数列で表されることが分かったのです。アサガオの葉序は2/5で、茎を2回転する間に5枚の葉がついていて、隣接する葉は144度の開きとなります。これを上から見れば一筆書きの星形の順に葉が並んで見えます。ちなみに、上に示した分数列は、直前2つの分子どうし、分母どうしを加えてできる分数の連続で、その値は0.38196・・・・・・・に近づくものです。この値は隣接する葉が137.5度の開きでつくことになり、上から見たら葉の重なりがもっとも少ない並び方になって、太陽の光をもっとも効率よく受け取る並び方となります。葉序については登録番号0838、登録番号1012にも関連質問がありますのでご覧になってください。
【回答の訂正について】
訂正前回答中にあった「その値は0.618033に……・近づくものです」を「その値は0.38196……..に近づくものです」に訂正いたしました。
葉序の実際的観察結果を表現するものとして、分数形(茎を回転する数/葉の数)を用いると、
1/2,1/3,2/5,3/8,5/13.8/21 ・・・・・・・Fn=Fn-2/(Fn-1+Fn-2) となり、これは分子、分母ともフィボナッチ数列となっています。nが無限大ならばその比は0.38196……….に近づきます。一方、フィボナッチ数列は0,1を基点とする数列で、隣り合う2つの数を分数の形で表すと0/1,1/1,1/2、2/3,3/5,5/8・・・・・Fn=Fn-1/(Fn-1+Fn-2)となり、この比は0.618033…….に近づくためこの値を誤って記載したものです。
みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
小1の子供さんは素晴らしいことに気がつかれましたね。すごい観察力だと思います。そして、その表現「一筆書きの星の順番」の正確さにも感服しました。決して「偶然」にそのように見えたのではありません。植物の葉が茎につくつき方を葉序(葉の順序)といい、植物種によってほぼ決まった形式をとります。対生、互生、輪生に大別されますが、輪生は互生の一形式とする考え方もあります。ご存じのように対生は、茎の1つの節から2枚の葉が相対してでる形式ですね。たとえば、次の節に90度回転して1対の対生葉がつけば、上から見て十字形に見えます(シソの仲間のほとんどはこの十字対生です)。一方、互生は1つの節から1枚の葉がでますが、次の葉(ここでは1枚目と数えます)は茎を螺旋状に回ってある角度をもって出ます。この角度が180度であれば、2枚目の葉は最初の葉の真上にきます。つまり、茎を1回転する間に2枚の葉があることになります。この葉のつき方を1/2と表示します。同じように、茎を1回転する間に3枚の葉がつけば(葉と葉がつく角度は120度)1/3と表示します。たくさんの植物の葉序を調べると、葉のつき方は1/2、1/3,2/5,3/8,5/13,8/21・・・・・・のような分数列で表されることが分かったのです。アサガオの葉序は2/5で、茎を2回転する間に5枚の葉がついていて、隣接する葉は144度の開きとなります。これを上から見れば一筆書きの星形の順に葉が並んで見えます。ちなみに、上に示した分数列は、直前2つの分子どうし、分母どうしを加えてできる分数の連続で、その値は0.38196・・・・・・・に近づくものです。この値は隣接する葉が137.5度の開きでつくことになり、上から見たら葉の重なりがもっとも少ない並び方になって、太陽の光をもっとも効率よく受け取る並び方となります。葉序については登録番号0838、登録番号1012にも関連質問がありますのでご覧になってください。
【回答の訂正について】
訂正前回答中にあった「その値は0.618033に……・近づくものです」を「その値は0.38196……..に近づくものです」に訂正いたしました。
葉序の実際的観察結果を表現するものとして、分数形(茎を回転する数/葉の数)を用いると、
1/2,1/3,2/5,3/8,5/13.8/21 ・・・・・・・Fn=Fn-2/(Fn-1+Fn-2) となり、これは分子、分母ともフィボナッチ数列となっています。nが無限大ならばその比は0.38196……….に近づきます。一方、フィボナッチ数列は0,1を基点とする数列で、隣り合う2つの数を分数の形で表すと0/1,1/1,1/2、2/3,3/5,5/8・・・・・Fn=Fn-1/(Fn-1+Fn-2)となり、この比は0.618033…….に近づくためこの値を誤って記載したものです。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2008-10-07
今関 英雅
回答日:2008-10-07