質問者:
一般
なかなか
登録番号1874
登録日:2008-12-12
ツユクサの中には、苞や葉鞘に毛が生えているケツユクサがあり、これらは倍数異数体だそうで、ケツユクサはツユクサの1品種とされています。 みんなのひろば
ツユクサとケツユクサの関係
これらを観察してみますと苞や葉鞘の有無だけでなく、花弁の大きさや形、X字形雄しべの形、気孔の大きさなど形態にもいくつかの違いが見られます。また、これらを交配すると種子はすべて「しいな」となってしまいます。
交配しても交雑種ができないのならば、ケツユクサはツユクサの1品種ではなく、別の種である可能性も考えられないのでしょうか?
なかなか さん:
みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
ツユクサは多くの変異形、品種があるようですが、今のところ同一種とされているようです。新しい比較研究によって新種(別種)と提案することはできますが、いくつかのルールはあります。登録番号1365をご参照ください。ご質問は植物分類学会向きですが生物系統進化をご専門としている基礎生物学研究所の長谷部光泰先生に伺いました。
(長谷部先生の回答)
ツユクサ、結構、変異があって面白いですよね。とても面白い発見と思います。身近な雑草にはこのような未発見の「新種」候補がたくさんあると思います。さらに研究を進められて、品種から別種に格上げしてやってください!
(1)ケツユクサの分布域全体を把握されると良いです。標本を閲覧することはそれほど難しくありません。お近くの自然史博物館の学芸員に相談すると、標本の調べ方などを教えていただけると思います。お近くに博物館が無いときは、(4)の学会を利用されると良いと思います。
(2)分布域全体において、ケツユクサの変異を調べるのが大事です。ケツユクサにいくつかのタイプがあるかもしれません。また、母種(この場合ツユクサ)の変異内に含まれてしまう場合もあるかもしれません。また、生育状態によって形態が変わる場合もあるので注意が必要です。さらに、違いを定量的に示すことも大事です。ツユクサの中にも少し毛があるものもありますし、ケツユクサの中にも毛の多少がありますよね。グラフを作って、両者が明確に区別できることを示すと良いです。
(3)もし、異なったタイプのケツユクサが見つかったら、それらもツユクサと交配可能か調べてみると良いと思います。
(4)植物の分類に関しては、日本植物分類学会があります。半分くらいがアマチュア研究家です。日本の植物分類学は歴史的にアマチュアと専門家の連携で発展してきました。今回のように、アマチュアの方が気づいて、専門家との連携で新種が生まれた例は多々あります。学会や野外観察会などで、専門家から意見を聞きながら研究をすすめられると良いと思います。
長谷部光泰(基礎生物学研究所 生物進化研究部門)
みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
ツユクサは多くの変異形、品種があるようですが、今のところ同一種とされているようです。新しい比較研究によって新種(別種)と提案することはできますが、いくつかのルールはあります。登録番号1365をご参照ください。ご質問は植物分類学会向きですが生物系統進化をご専門としている基礎生物学研究所の長谷部光泰先生に伺いました。
(長谷部先生の回答)
ツユクサ、結構、変異があって面白いですよね。とても面白い発見と思います。身近な雑草にはこのような未発見の「新種」候補がたくさんあると思います。さらに研究を進められて、品種から別種に格上げしてやってください!
(1)ケツユクサの分布域全体を把握されると良いです。標本を閲覧することはそれほど難しくありません。お近くの自然史博物館の学芸員に相談すると、標本の調べ方などを教えていただけると思います。お近くに博物館が無いときは、(4)の学会を利用されると良いと思います。
(2)分布域全体において、ケツユクサの変異を調べるのが大事です。ケツユクサにいくつかのタイプがあるかもしれません。また、母種(この場合ツユクサ)の変異内に含まれてしまう場合もあるかもしれません。また、生育状態によって形態が変わる場合もあるので注意が必要です。さらに、違いを定量的に示すことも大事です。ツユクサの中にも少し毛があるものもありますし、ケツユクサの中にも毛の多少がありますよね。グラフを作って、両者が明確に区別できることを示すと良いです。
(3)もし、異なったタイプのケツユクサが見つかったら、それらもツユクサと交配可能か調べてみると良いと思います。
(4)植物の分類に関しては、日本植物分類学会があります。半分くらいがアマチュア研究家です。日本の植物分類学は歴史的にアマチュアと専門家の連携で発展してきました。今回のように、アマチュアの方が気づいて、専門家との連携で新種が生まれた例は多々あります。学会や野外観察会などで、専門家から意見を聞きながら研究をすすめられると良いと思います。
長谷部光泰(基礎生物学研究所 生物進化研究部門)
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2008-12-24
今関 英雅
回答日:2008-12-24