質問者:
その他
ちった
登録番号1887
登録日:2009-01-05
パイナップルにはたくさんの消化酵素が含まれており、肉料理を食べる時に一緒に食べると効果があると聞きました。そこで疑問に思ったのが、どうしてパイナップルには消化酵素が多く含まれているのか?ということです。私が考えた理由はパイナップルが動物に食べられ、その種子が動物の体内に取り込まれる→種子が消化されすぎるのを防ぐために自身の消化酵素を動物の消化酵素に足す事で早く体外に排出されるようにする(このとき、自身の消化酵素は当然ながら種子には作用しないと考える)というものです。みんなのひろば
パイナップルと消化酵素
パイナップルを食べる動物がいるのかどうかはわかりませんがこのように考えてみました。
よろしくお願いします。
ちった さま
パイナップルの果実は花の茎に、ぴったりついた子房が融合した部分に相当しますが、ここにはブロメラインとよばれるタンパク質を分解する酵素(プロテアーゼ)が細胞内酵素として含まれています。同じようなプロテアーゼはパイナップルの果実ばかりでなく、根茎の部分にも含まれています。このプロテアーゼはシステイン残基が反応に関与するチオールプロテアーゼですが、同じ種類のプロテアーゼは、パパイアとイチジクの果実の(細胞内ではなく)白い乳液の中に含まれ、それぞれパパイン、フィシンとよばれています。これらのプロテアーゼはそれぞれの植物体内にあるとき、当然のことながら、植物のタンパク質をほとんど分解しないと考えられています。これらのプロテアーゼは牛肉などの硬いコラーゲンなどに作用し肉を軟化させることができるため、ご質問にありますようにステーキの上にパイナップルをのせる、などの料理が行われています。
なぜ、パイナップルの果実や根茎がこのようなプロテアーゼをもっているのかについては、ご質問にある考えもその一つです。しかし、種子がなくあまり糖分なども含まれていない根茎にもプロテアーゼが含まれていることから、パイナップルの果実を食べた動物の消化を促進して早く種子を排泄させ広く種子を播くようにしているとは考えにくいようにも思われます。もう一つ考えられているのは、このようなプロテアーゼは動物のコラーゲンなどのタンパク質を分解できるため、これらの果実や、植物体が昆虫に食べられないようにしている役割をもっているとも考えられています。
パイナップルの果実は花の茎に、ぴったりついた子房が融合した部分に相当しますが、ここにはブロメラインとよばれるタンパク質を分解する酵素(プロテアーゼ)が細胞内酵素として含まれています。同じようなプロテアーゼはパイナップルの果実ばかりでなく、根茎の部分にも含まれています。このプロテアーゼはシステイン残基が反応に関与するチオールプロテアーゼですが、同じ種類のプロテアーゼは、パパイアとイチジクの果実の(細胞内ではなく)白い乳液の中に含まれ、それぞれパパイン、フィシンとよばれています。これらのプロテアーゼはそれぞれの植物体内にあるとき、当然のことながら、植物のタンパク質をほとんど分解しないと考えられています。これらのプロテアーゼは牛肉などの硬いコラーゲンなどに作用し肉を軟化させることができるため、ご質問にありますようにステーキの上にパイナップルをのせる、などの料理が行われています。
なぜ、パイナップルの果実や根茎がこのようなプロテアーゼをもっているのかについては、ご質問にある考えもその一つです。しかし、種子がなくあまり糖分なども含まれていない根茎にもプロテアーゼが含まれていることから、パイナップルの果実を食べた動物の消化を促進して早く種子を排泄させ広く種子を播くようにしているとは考えにくいようにも思われます。もう一つ考えられているのは、このようなプロテアーゼは動物のコラーゲンなどのタンパク質を分解できるため、これらの果実や、植物体が昆虫に食べられないようにしている役割をもっているとも考えられています。
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二
回答日:2009-05-07
浅田 浩二
回答日:2009-05-07