一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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葉緑体の色について

質問者:   中学生   mist
登録番号1890   登録日:2009-01-07
学校で、植物の葉緑体を観察したのですが、
葉緑体はなぜ緑色をしているのでしょうか?
何か光合成をするのに好都合なのでしょうか?
mist さん

このコーナーに質問を下さりありがとうございました。

最初に、ものの色について考えてみることにします。
ものの色って、どんな色の光のもとで見るかによって違ってきませんか。例えば、植物の葉が緑色に見えるのは、太陽の光(白色の光)のもとで見たときのことですね。
赤色や青色の光のもとで見るとどうなるでしょうか。

ところで、太陽の光をプリズムで分けると、赤色から紫色に至る無数の種類の色に分かれますね(ふつうは、7色といわれますが)。太陽の光(可視光線)は、大まかには、「赤」、「緑」、「青」の3色のグループに分けられます。植物の葉が太陽の光もとで緑色に見えるのは、これら3色の光のうち、「赤」と「青」が吸収されて、「緑」だけが反射されて私たちの眼に入ってくるからです。そして、植物の体の中にあって「赤」と「青」の光を吸収するのは葉緑素(クロロフィル)とよばれる色素です。

観察で葉緑体が緑色に見えるのは、そこに「赤」と「青」の光を吸収する(「緑」を吸収しない)クロロフィルが含まれているからです。クロロフィルは「赤」と「青」の光を吸収して光合成に必要なエネルギーとして利用しています。

以上の説明で、お分かりいただけたでしょうか。不明な点がありましたら改めて質問をおよせ下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤公行
回答日:2009-01-13
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