一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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白樺の幹の色はなぜ白いのでしょうか

質問者:   会社員   パシリ
登録番号1896   登録日:2009-01-12
私が住む信州の周りの山々を見渡すと、広葉樹、針葉樹とも木本の幹の色はおおよそ同じように見えます。しかし、その中に混じって、白樺の幹だけは白色をしています。白樺は幹でも光合成をしていると聞きました。そうであれば、光合成に都合の良い色素を持つのが普通のような気がします。また、標高800mの我が家から町田市の親戚の家に白樺の幼木を移植したところ、幹は白くなりませんでした。標高により幹が白くならないのは関連した理由があるのでしょうか。
パシリ さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
同じ質問が本コーナーの登録番号1423にあり、そこでお答えしてありますので参照してください。

白色の原因物質ベチュリンの合成は生育環境が悪くなれば低下することは十分考えられます。シラカンバは寒冷地域に生育するものですので暖かいところでは合成が低いのかもしれません。高山植物の濃い鮮やかな花の色も、低地にもってくると一般に薄い色になってしまうのと同じと考えられます。

「シラカンバの幹が光合成する」との情報は何処に根拠があるのか判りませんが、光合成するかどうかは、葉緑体があるかどうかにかかっています。カラタチのように枝の茎が緑色の樹木がありますがこのような場所では葉緑体があり光合成は行われています。しかし、シラカンバの幹には葉緑体がほとんど見あたりませんので光合成をしているとは考えられません。

JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2009-01-13
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