一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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アカ松、クロ松の中間種はできるか。

質問者:   会社員   ぱ
登録番号1908   登録日:2009-02-09
よく図鑑などを見ていますと「アカ松、クロ松」、「ハルニレ、アキニレ」、「ブナ、イヌブナ」など、生息域によって多少異なる性質を持った樹木がありますが、公園整備などで、これらの同属の種を近い場所に植栽した場合、たとえば、アカ松、クロ松の中間種はできるのでしょうか。自然の状態では起こりえないのでしょうか。
ぱ さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。

アカマツとクロマツの雑種があるかとのご質問ですが、この2種には自然雑種がありアイグロマツとよばれています。よく調べられた例は、広島県や山口県の海沿いの地域に見られる中間種で、よりアカマツに近い雑種をアイアカマツともよばれています。ハルニレ、アキニレは開花時期の違いが大きな違いですので、両者の自然雑種が出来る可能性はありません。ブナ、イヌブナはたくさんの植生研究があり日本にはこの2種しかなく、中間種と見られる形態をもつ種は報告されていません。同じ属の他の種との間にできる種間雑種は珍しいことではありませんが、一般的には2つ植物間に雑種が出来ないこと(生殖隔離があると言いますが)はその2つを異なった種とする重要な指標とされています。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2009-02-10
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