質問者:
会社員
マル
登録番号1920
登録日:2009-02-22
オーストラリアに代表される山火事は自然発火が原因の場合がありますが、特に松科の中に風によって隣り合う幹や枝同士をこすり合わせて、摩擦熱で故意に自然発火させる種類があり、そのために、松脂などの樹脂は燃えやすくできており、その種の松かさは、焼けることにより発芽し、他の植物に優先すると聞いたことがありますが、本当でしょうか?自然発火の仕組み
もしそのような種があるとしたら、どのような種でしょうか。教えてください。
マルさま
オーストラリアにはブルーマウンテンと呼ばれる遠くから見ると青く見える山があります。
この青色はユーカリの葉から空気中に放出されたテルペンによるものです。
テルペンの放出量は高温で多くなるので、夏期にはユーカリの林の中のテルペン濃度はかなり上昇します。テルペンは引火性の物質なので、何かの原因で発火した場合山火事を引き起こす元になります。
しかし、故意に自発的発火させている訳ではありません。植物は自分で動くことが出来ませんから、故意に発火させようとしても、させることは出来ないのです。
ユーカリの林の中に生えているヤマモガシ科のバンクシアという植物の種子は山火事に会わないと発芽しないことで有名ですが、この植物の種子を発芽させるために、ユーカリが自発的に山火事を起して自分の林を破壊するとはとても考えられません。
マツの仲間の葉もテルペンを放出します。カナダの平原を覆っているマツ林でも自然発火と見られる山火事があり、成熟したマツを枯らしていますが、その後に生えて来るのは、マツではなくてポプラの仲間とかシラカバの仲間のような広葉樹です。マツは広葉樹の林の林床で発芽し、やがて広葉樹を追いこして再びマツ林を再生させますが、それにはかなりの年月が必要です。故意に自発発火して山火事をおこしているとはとても考えられないでしょう。意識を持たない植物が故意に何かをすることは無いと思って下さい。
林の下の土の中で、発芽せずにじっとしていて、山火事の高温に会うと発芽してくる植物の身近な例はウルシ科のヌルデです。
オーストラリアにはブルーマウンテンと呼ばれる遠くから見ると青く見える山があります。
この青色はユーカリの葉から空気中に放出されたテルペンによるものです。
テルペンの放出量は高温で多くなるので、夏期にはユーカリの林の中のテルペン濃度はかなり上昇します。テルペンは引火性の物質なので、何かの原因で発火した場合山火事を引き起こす元になります。
しかし、故意に自発的発火させている訳ではありません。植物は自分で動くことが出来ませんから、故意に発火させようとしても、させることは出来ないのです。
ユーカリの林の中に生えているヤマモガシ科のバンクシアという植物の種子は山火事に会わないと発芽しないことで有名ですが、この植物の種子を発芽させるために、ユーカリが自発的に山火事を起して自分の林を破壊するとはとても考えられません。
マツの仲間の葉もテルペンを放出します。カナダの平原を覆っているマツ林でも自然発火と見られる山火事があり、成熟したマツを枯らしていますが、その後に生えて来るのは、マツではなくてポプラの仲間とかシラカバの仲間のような広葉樹です。マツは広葉樹の林の林床で発芽し、やがて広葉樹を追いこして再びマツ林を再生させますが、それにはかなりの年月が必要です。故意に自発発火して山火事をおこしているとはとても考えられないでしょう。意識を持たない植物が故意に何かをすることは無いと思って下さい。
林の下の土の中で、発芽せずにじっとしていて、山火事の高温に会うと発芽してくる植物の身近な例はウルシ科のヌルデです。
JSPPサイエンス・アドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2009-02-27
柴岡 弘郎
回答日:2009-02-27