一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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葉の無い内に開花する花弁の材料はどこで作られる?

質問者:   自営業   閃緑藻
登録番号1961   登録日:2009-04-25
桜が葉の出る前に開花するのに最近気付き、不思議に思っていたところ、このコーナーで漸く、前年の内に花芽が作られるのだという回答を得ました。しかし花芽ができても、実際に花が開くには花弁その他の部分の材料となる物質が必要です。しかもそのような物質は、開花する時期に合成される必要があると思います。今までは、全て葉の葉緑素の光合成によって必要な物質が作られると思っていたので、桜が葉の出る前にどうやって開花するのか、相変らず疑問です。宜しくお願いします。
閃緑藻 さま

サクラの花、また、山を彩る美しい新緑の葉の光合成ができるようになるまで、それを作り上げる養分や物質はどうして獲得しているかのご質問ですが、これについては、これまでに本質問コーナーでいくつか議論されています。

一年生の植物では種子を作って、この種子の中に次の年に発芽して光合成ができるように葉が成長することができるまでの養分を蓄えています。サクラのような多年生の木本植物では、秋までに光合成によって作られた養分を幹や枝の樹皮の内側の柔細胞に、糖、デンプンなどの形で蓄え、春になって花や新しい葉を作るために備えています(メイプルシロップはモミジの幹の柔細胞に蓄えられた糖をヒトが冬の間に横取りしたものです)。この柔細胞での養分の貯蔵について、詳しい解説が、本質問コーナーの質問登録番号0690, 登録番号0866の回答にありますので、ご覧下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二
回答日:2009-05-07
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