一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ハナニラの小包葉

質問者:   中学生   桃太郎
登録番号1963   登録日:2009-04-27
ある野原に咲いていたハナニラを観察しました。
家で調べてみると「小包葉」と呼ばれるものがあったことを知りました。
あれは何のためにあるのでしょうか?
パンジーについての質問では小包葉についてふれていましたが、(登録番号0726
ハナニラについてはどうなのでしょうか?

ちなみに自分で考え、簡単に言うと「花柄を支えるためではないかなあ」
と思い、図鑑などでほかの、小包葉がある植物も調べたのですが、
これといった決定的な実証ができません。
桃太郎 さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
同じ中学生からの似たような質問(登録番号0762)に柴岡先生は、よく観察して自分で考えてみたらどうですかと回答されています。それで桃太郎さんは自分で考えて「花柄を支えるためではないかなあ」と思ったのですね。さらに図鑑などで調べたけれどもはっきりしなかった、ということですね。とても正しい筋道をたどったのですが、ハナニラの苞葉を見てどうして「花柄を支える」と思いついたのかな?ハナニラの花柄に2枚の苞葉がついていますね。どう見ても、花柄が「苞葉を支えて」いて、苞葉が「花柄を支えて」いるようには見えないのですが。もう一度よく観察してください。それから他の花の苞葉はどんなになっているかを見てください。苞葉のある花とない花があります。また、実にいろいろな形や大きさの苞葉があることに気がつくと思います。ということは、現在では苞葉は花にとって必ず必要ではなくなっているようです。でも、立派な苞葉をもっていて大切な働きをしている苞葉もあります(カヤツリグサ、ドクダミ、タンポポ)。植物が進化する間に、花のつくりや形が変わるにつれて苞葉の形や働きも変化してきたようです。ハナニラ、カヤツリグサ、ドクダミ、タンポポを花のつぼみのときから苞葉がどんなになっているかを観察してみませんか。どんな働きをしているのだろうか、ということが分かると思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2009-04-30
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