一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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CAM植物の反応はどこで起こっているか?

質問者:   教員   のぶさん
登録番号1982   登録日:2009-05-28
最近、生徒から質問があって答えられなかったものです。
CAM植物が夜間に行っているCO2固定反応は、細胞内のどの部分で行われているのでしょうか?
私はずっと細胞質基質で行われているものと思っていましたが、
生徒が持ってきた参考書(某大手予備校が出版しているものです)ではっきりと「液胞内で行われる」と書かれており、誤植かと思ったら図も載っていました。

これまでそのような記述は見たことがなく、手元の書籍を見てもどこにもそのようなことは書かれていませんでした。
これは最近明らかになったことで、私の勉強不足なのでしょうか?
それともこの参考書が先走ったものなのでしょうか?
申し訳ありませんが、教えていただけると嬉しいです。
よろしくお願いいたします。
のぶさん

このコーナーに質問をありがとうございました。
CAM植物のCO2固定反応が細胞内のどこで行われているかは、この反応に関与する酵素(例えば、ホスホエノールピルビン酸カルボキシラーゼ;PEPカルボキシラーゼとも呼ぶ)がどこで働いているかを調べると分かります。細胞の内容物を葉緑体、ミトコンドリア、液胞、細胞基質、核などに分画して調べるのも一つの方法です。細胞内のどの部分に問題の酵素タンパク質があるかを抗体などで確認することも有力な手法となります。

このような研究から明らかになっていることは、CO2固定反応は細胞質で行われ、この反応の結果生ずるリンゴ酸などは液胞に輸送されて蓄えられると言うことです。
先生のご理解が正しいと思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤公行
回答日:2009-06-01
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