一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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植物の余剰エネルギーの蓄え方

質問者:   大学生   ossan
登録番号1986   登録日:2009-06-06
現在基礎生物学を勉強しているのですが、先日教科書を読んでいるとき「なぜ植物は通常余剰エネルギーを脂肪ではなく炭水化物として保存するのだろうか?」という問題を見つけました。脂肪のほうが重さあたりのATPを保存できる量が多いので、環境によっては脂肪で保存したほうがよい場合があるのではと思ったのですが、植物が余剰エネルギーを保存するときタンパク質や脂肪ではなく炭水化物を使うのはどういった理由があるのでしょうか?
また、普段余剰エネルギーを蓄えるとき主に炭水化物以外を使ってエネルギーを保存する植物はないのでしょうか?
ossan さん

このコーナーに質問をお寄せ下さりありがとうございました。
植物のエネルギー貯蔵と言えば、「種子」のことが頭に浮かびます。種子には、身近な例を挙げれば、ナタネやダイズがあります。これらの種子の場合、“余剰エネルギーを脂肪ではなく炭水化物として保存する”は当たらないことになります。“余剰エネルギーを炭水化物で”とするのはやや固定観念的ではないでしょうか。事実を今少し調べて見られることをお勧めします。
ところで、植物体にはセルロースが多く含まれております。一般に、植物は葉を広く展開して光を集めやすいような体制をしているように見えます。セルロース成分が多いことと、このことが関係しているかも知れません。何れにしても植物に特徴的な成分や形は、植物に特徴的な機能や生活環境に関係しているのではないかと探って行かれることをお勧めします。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2009-06-10
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