一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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あさがおの葉や茎にある毛について

質問者:   その他   あさがお
登録番号1993   登録日:2009-06-11
今、学校で朝顔を育てているのですが茎や葉に毛がはえていることに気づきました。あの毛は何の役割を果たしているのでしょうか?教えてください。
あさがお様

みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。頂いたご質問の回答を東京大学の塚谷裕一先生にお願い致しましたところ、以下のような実験の結果なども含めた分かりやすいご回答をお寄せ下さいました。お役に立つに違い無いと思います。


あさがお様 

ご質問ありがとうございます。植物の毛には、いくつかの役目があります。
 
ご質問のアサガオの毛の場合は、主に、虫よけです。アリマキ(アブラムシ)のような虫の足の長さより少し長くありませんか?そういう毛の間を歩こうとすると、とても歩きにくいので、虫はもっと歩きやすいところに行って植物の汁を吸おうとしますね。シロイヌナズナという実験用の植物で、毛のある株と無い株を並べておくと、アリマキは無い株ばかりに行きますし、毛のある株の方も、アリマキに汁を吸われはじめると、これはまずいと、毛の密度を増やします。そんな風に、毛は役立っています。

もっとも、植物によっては他の役目を毛に与えているものがあります。寒冷地では断熱材として、乾燥地帯では乾燥よけと日よけとして、といった具合に、環境に応じていろいろな使い方をしています。毛の種類としても、アサガオの毛のように線状のものから、先端に粘液を出すもの、球状のもの、星状のものなどいろいろです。これも用途に応じていろいろと多様に進化したものです。機会があったら、ぜひいろいろな植物の毛を見比べてみてください。

東京大学大学院理学系研究科教授 塚谷 裕一
JSPPサイエンス・アドバイザー
柴岡弘郎
回答日:2009-06-16
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