一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ほうせんかの吸水実験

質問者:   教員   みっちー
登録番号1997   登録日:2009-06-16
小学6年生の理科の実験で植物の水の通り道を確認するためほうせんかを食紅水につけて根茎葉が赤く変化する実験を行っています。しかしながら、葉の淵や葉脈は赤く染まるのですが茎や根は赤くなりません。茎が染まらないと水の通りみちの実証がうまくできません。なぜ茎や根が赤く染まらないのか教えてください。教科書に書いてあるように食紅水は濾過して使用しています。
みっちー 様

質問コーナーへようこそ。ご来場を歓迎します。下記の質問にお答えします。

ホウセンカ(生物学では生物名はカタカナで記載する)の吸水実験は理科の一般的な実験としてあまねく紹介されているようですね。
あなたの手順によると、葉脈や葉淵は染まっているのですから、食紅水は間違いなく根から吸われて葉まで到達しています。ということは茎の中の水の通路(道管)通って水が上部へ運ばれた事を証明しています。問題は茎の中を通る所が外から観察できないという事のようですね。根からの水は根や茎の全体の組織を通って葉まで輸送されるのでありません。通道組織の道管を通ります(登録番号1613を参照のこと)。従って、茎が赤く染まって見えないのは、多分表皮とその下の皮層組織(葉緑体などは含まれているし、液胞に色素などが存在する事もある)に邪魔されて簡単には外からは観察されないからでしょう。

カミソリの刃などで横断あるいは縦断切片を作って観察すると、虫眼鏡でも赤く染まった道管が見えると思います。試してみてください。低倍率の顕微鏡があればもっとよいでしょう。なお、インターネットで「ホウセンカ 道管」と検索してみて下さい。沢山の実験紹介があります。参考になる事もあるでしょう。
JSPPサイエンスアドバイザー
勝見 允行
回答日:2009-06-17
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