moonさま

みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。頂いたご質問の回答を広島大学の出口博則先生にお願いいたしましたところ、以下のような丁寧な回答をお寄せ下さいました。また研究室で作成されたホームページも紹介して下さっておられますので、参考になるに違いないと思います。


質問：苔（蘚類）の一生、寿命はどのくらいですか

回答：蘚類の種によってさまざまです．最近，実験植物として脚光をあびていますヒメツリガネゴケの場合には，実験室では胞子から芽がでて，コケの本体（茎葉体）となり，精子と卵がつくりだされ，両者が合体して胞子をつくる体（胞子体）がわずか２−３か月で完成しますが，自然界ではそれが１年を要します．このようなコケは比較的数が少なく，多くは寿命を判定するのが困難です．コケは永続的に成長を続けます．


①：蘚類のコケは胞子から発芽して成長して胞子を付けるまでどのくらいですか。

回答：たいへん基本的かつ重要な質問ですが，きちんとしたデータを専門家が出していません．上記の回答はその質問の一部をお答えしたに過ぎません．

②また、寿命は１年草と多年草とかあるのですか。

回答：はい，あります．先ほどのヒメツリガネゴケが所属しますヒョウタンゴケの仲間、カゲロウゴケの仲間や一部のキンシゴケの仲間が１年草です．他の大部分のコケは多年草です．

③：無性芽はどの時期につけますか。

回答：無性芽をつけるコケとつけないコケがあります．無性芽がいつ（季節）つけるのかというのも種類にもよりますが，ふつうは年中付けております．

④：参考書がありましたら、購入したいので教えてください。

回答：どのような内容の参考書を求められているのかわかりませんが，最近出版された一般向けの参考書２編を紹介します．
秋山弘之（編）．コケの手帳．研成社．1,600円．ISBN4-87639-131-9 C1045
秋山弘之．苔の話．小さな植物の知られざる生態．中公新書．780円．
ISBN4-12-101769-2 C1245
岩月善之助（編）．日本の野生植物．コケ．平凡社．19,500円．ISBN4-582-53507-0C0645

また，つぎのサイトに「広島大学デジタル自然史博物館（植物）」のホームーページが> あります．そこにコケについての詳しい情報が満載されていますので，ご参照ください．そこに主な参考書が紹介されています．
http://www.digital-museum.hiroshima-u.ac.jp/~museum/plant/

出口　博則（広島大学）