一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

チェックリストに保存

藻の光合成

質問者:   小学生   りっち
登録番号2030   登録日:2009-07-27
毎年夏休みに、金魚の水槽の中に出来る緑色の藻について、自由研究をしています。
去年、藻も植物の仲間なら、光合成をしているいるのかどうか疑問に思ったので、調べました。
水上置換法で酸素を出しているかという事と、ヨウ素ででんぷん反応を見ました。酸素らしきものを集める実験は成功しましたが、ヨウ素によるでんぷん反応の実験は失敗でした。集めた藻を漂白剤で漂白して、うすめたうがい薬をかけるという方法でした。今年もう一度、チャレンジしたいんですが、何か良い方法は無いですか?
漂白剤と、うがい薬の濃度に問題があったんでしょうか?
藻でヨウ素でんぷん反応を見るのは無理なんでしょうか?
よろしくお願いします。
りっち さん

本コーナーへ質問をありがとうございました。
ご質問には、神戸大学で藻類の光合成について研究されている村上明男先生が回答を用意して下さいました。ごご参考にして、良い自由研究に仕上がるよう願っております。なお、集まった気体が本当に酸素であるかどうかはちょっと気になりますよね。


(村上先生からの回答)
水槽の中の緑の藻は、りっちさんご自身も確かめられたように、植物と同じ様に光が当たると光合成を行い、酸素を出します。ヨウ素デンプン反応がなかなか巧くいかないようですが、下記のようないくつかのヒントをもとに、発色する条件を探し出してください。再現性のある方法や良い反応条件をいろいろ工夫して見出すことは、どんな実験においても大事なことです。夏休みの自由研究ということですが、粘り強くチャレンジしてください。きっとうまくいくと思います。

・念のため、うがい薬にヨウ素が含まれているか容器のラベルを確かめる。
・片栗粉(ジャガイモのデンプン)あるいはジャガイモの切り口に、うがい薬をかけて発色を確かめる。
・うがい薬は、1/2、1/4、1/8、…と徐々に薄めて、発色に適した濃度を探す。
・アサガオなど植物の葉を用いて藻と比較する。
・藻は光が十分当たって、色の濃い元気の良さそうなものを選ぶ。
・植物や藻には実験に適した種類がある。

村上 明男(神戸大学・内海域環境教育研究センター)
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2009-08-06