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イネの葉のぎざぎざはどうしてあるのですが

質問者:   小学生   そうたろう
登録番号2038   登録日:2009-07-31
イネの葉には、ぎざぎざがあって、手を切ったりします。どうしてぎざぎざがあるのでしょうか。
そうたろう様

 みんなのひろばへのご質問ありがとうございました。返事が遅くなってゴメンナサイ。頂いたご質問を、東京大学の塚谷裕一先生に送り、回答をお願いいたしましたところ、次のような詳しい答えを返して下さいました。よく読んで参考にして下さい。


そうたろう様
ご質問ありがとうございます。
たしかにイネもそうですし、ススキとかイネ科の植物の葉で手を切ると、とても痛いですね。子どもの頃はずいぶん苦い思いをしました。
イネ科の葉の切れ味が鋭いのは、1つには、ご質問の葉の縁のギザギザのせいですし、また全体に、ガラスにも含まれる珪素で細胞壁が堅くされているためでもあります。この細胞壁は、本当にガラス的なところもあります。というのも、普通の植物の場合は、落ち葉が土に堆積してしばらくすると、次第に微生物によって分解され、ついには跡形もなくなってしまうものですが、イネ科の細胞の一部は、分解されずに化石になって残るほど、丈夫なのです。そのため、昔その土地にどんな植物が生えていたかを調べるのにも、役立つほどです。こんな堅い細胞壁を持っていますから、皮膚も切れやすいわけですね。
ではなぜこれほど堅いかと言えば、虫や動物に食べられてしまいたくないからというのと、あとは葉を立たせるためでしょう。イネ科の葉は上に向かって立っていることが多いですね。葉が直立すると、隣とぶつかり合わないので、密に生えることが可能になります。でもそのためには、朝顔の葉のような柔らかい構造では無理で、中心部に堅い太い組織を用意することと、葉そのものを堅くする必要があります。
またイネ科の植物は密に生える分、昆虫だけでなく、牛や馬などのような草食性の動物にも狙われやすいですね。なので、せめてもの抵抗として、硬いとげとげした構造を縁に持つことで対抗しているのでしょう。牛や馬は、ススキの葉を食べるとき、舌を切ってしまったりしないんでしょうか。回答を書いていて、以前、そんな心配をしたことがあったのを思い出しました。

塚谷 裕一(東京大学大学院・理学系研究科教授) 
JSPPサイエンスアドバイザー
柴岡 弘郎
回答日:2009-08-11
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