一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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おくらの葉

質問者:   小学生   まほちゃん
登録番号2045   登録日:2009-08-06
夏休みの自由研究で、オクラの葉の成長の様子を観察しています。
オクラの葉の形が違っていることと、最初は赤い色は内のに、葉が大きくなるにつれて、葉脈のところに赤い色が出てくるのが不思議です。
この赤い色はどこからきているのですか。
まほちゃん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
面白いことに気がつきましたね。とてもよい観察眼です。
まず、葉の形について。「植物の葉の形は、種類によって決まっている」ということは正しいのですがそれはふつう「大人の葉」の形について言っていることです。1本の植物の芽がでてから育っていくとき葉には「赤ちゃんの葉」「子供の葉」と「大人の葉」と3種類の葉があり、形がそれぞれ違うのがふつうです。でも、「子供の葉」と「大人の葉」の形が同じものもたくさんあります。オクラの種子をまいたとき最初に2枚の葉がでますね。ほぼ楕円形をして厚ぼったい葉がまずでます。この2枚の葉が「赤ちゃんの葉」(子葉といいます)です。次に、この「赤ちゃんの葉」の間から、ほぼ丸い形で、柄のつくところが心臓のようにへこんでいて周りにはギザギザがある葉がでます。これが「子供の葉」(幼葉といいます)。この形の葉が何枚かでますね。その間に花も咲きますが、そのころになると5つに裂けた形(たとえばもみじの葉のように)の葉がでるようになります。これが「大人の葉」(成葉といいます)です。成葉の切れ込みの入り方も、少しずつ変わっていく筈ですからよく観察してください。このように幼葉の形と成葉の形がちがう植物は珍しくありません。まほちゃん!お花やさんに行って観葉植物を観察してみてください。下の方についている葉の形と上の方についている葉の形がちがう植物があることに気がつくと思います。どんな植物が、幼葉と成葉の形がちがうのかを調べるのもよい自由研究になると思います。
次に、成葉の葉脈に赤い色がついてくることですが、赤い色がどこにあるか、花、葉柄、茎などよく観察してください。この色はアントシアニンという色素で、青や赤いアサガオ、アジサイ、菊の花など多くの花の色や二十日ダイコンの表面、アカジソの葉の色のもとになっているものです。アントシアニンは植物が光合成でつくったお砂糖類を原料としてつくられます。アントシアニンがいつ、どこでつくられるかは遺伝的に決まっていることです。若いときにはつくられないで、年をとってくるとつくられるということはよくあることで、リンゴの実もはじめは緑色ですが熟してきて光に当たるとアントシアニンがつくられて赤くなりますし、秋の紅葉もアントシアニンがたくさんつくられるからです。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2009-08-11
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