一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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自分で作る紅葉

質問者:   小学生   nikoniko 42
登録番号2046   登録日:2009-08-07
紅葉を自分で作る、という自由研究をしています。
参考書によれば、日中は日光に当て夜は冷蔵庫に入れ数日観察、とありました。
今年の天気は今一、なかなか思うような観察ができません。
そこで、蛍光灯で光を当てればと考え、四時間以上当て、十五時間以上は冷蔵庫に入れること、四日が経ちました。
この方法では、どうでしょうか。また、別の考えがあれば教えてください。
Nikoniko 42 さま

晴れているときに正午の野外の太陽光の明るさを照度計で測った値を1とすると、蛍光灯の下で、本を読むのに適当な明るさは、この太陽光の最も明るいときの1/10 ~ 1/20です。このように照明に使っている蛍光灯の明るさは、正午の太陽光に比べ実際は非常に低いのですが、ヒトの眼は太陽光のような明るい光の下では、カメラの絞りに相当する機能が働き、光が網膜に入る量を調節しているため、蛍光灯の明るさが太陽光の1/10 ~ 1/20のようには感じないで、同じくらいの明るさと感じてしまいます。

参考書に書いてあるように日光に当てるのと、蛍光灯の光を4時間当てるとの大きな違いは、光の明るさが大きく違うことです。太陽光の明るさを蛍光灯で代用することはほとんどできないため、天気予報をよく見てできるだけ快晴の日を選んで昼間に日光に当て、夜に冷蔵庫に入れるようにすることが大切です。

秋になるとなぜ葉がなぜ紅葉するのか、について、この質問コーナーでの紅葉の言葉で検索すればいろいろの点からみた回答が見られます。基本的に、秋になって温度が低くなり、太陽の光エネルギーをすべて光合成(二酸化炭素固定)に利用できない状態になった時、あまった光エネルギーによる害作用(葉の日焼け)を防ぐために、表層の細胞に色素を合成して葉の内部の細胞に太陽光があまり当たらないようにするのが、紅葉です。実際に気温が急に低くなり、快晴の天気が続いた時、秋の紅葉ははっきりと見られます。
JSPPサイエンスアドバイザー
浅田 浩二
回答日:2009-08-11