一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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椿の葉に傷を付けると、どうしてヨウ素デンプン反応をしめすの?

質問者:   小学生   ★はーちゃん☆
登録番号2054   登録日:2009-08-18
 前回、登録番号2041でご回答をして下さりありがとうございました。
ご回答していただいた後、「お湯で煮てろ紙にはさみ、木づちでたたく方法」で実験をしてみました。
すると、椿の葉は箸で傷を付けてしまった所が変化していました。
そのことから、傷を付けた所が変化したのだから椿の葉はデンプンを含んでいると思えるのですが、そうなのでしょうか?
そして同時に「どうしてお湯で煮て叩いても椿の葉全体から反応が見られなかったのだろう?」と言う疑問がうまれました。
椿の葉の表面はロウを塗ったみたいにツルツルして厚いと思うのですが、そのことが関係あるのでしょうか?
(^_-)-☆
★はーちゃん☆ さん

再び、ご質問をありがとうございます。
椿の葉でデンプンを検出することにこだわっておられるようですね。なぜ椿にこだわられるのか分かりませんが、疑問を解き明かそうとする姿勢はたいへん立派だと思います。

ところで、すでに気付かれておられるように、椿の葉は角度によっては光って見えますね。これは葉の表面に分泌されているロウなどで作られるクチクラと呼ばれる構造によるものです。クチクラがあることで、葉から水分が過剰に蒸発することが防がれ、また、病原菌や害虫による侵害を受けにくくなっております。でも、この構造がヨウ素デンプン反応でデンプン検出することをむずかしくしているのだと思います。表面が固いのです。

質問文によると、箸で傷をつけたところでヨウ素デンプン反応が見られたとのことですが、葉全体にわたって箸で傷をつけることはできますか。あるいは、木鎚でたたくときにもっと強くたたいて、葉全体があたかも箸で傷をつけられたような状態にすることはできませんか。
何れにしても、まず、サトイモやアサガオなど、別の方法でデンプンが確かに検出できる材料を用いて、木づちで叩く方法がうまく行くことを確認して下さい。つぎに、椿について、緑の汁が付着したロ紙と残された葉の両方についてヨウ素デンプン反応を調べ、適当な条件を探ってみて下さい。
なお、光が十分に当たった葉を用いることが重要ですので、この点にも気を配って下さい。

私は椿について実験したことはありませんので、うまくいったら教えて下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2009-08-24
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