一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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植物の蒸散実験

質問者:   中学生   ken
登録番号2056   登録日:2009-08-19
こんにちは。
植物の蒸散の実験をしようと、
庭にあったミョウガの葉を使いました。
一方にワセリンを塗り、もう一方は何もしませんでした。
天気が良い日にペットボトルに挿し、ゴム栓をして
昼の12時から夕方4時過ぎ迄外に出しておきました。
(外出したのでこの間の様子は見れませんでした)
どうなっているかと楽しみにして帰ってみるとワセリンを塗っていない方の水量が少しだけ減っている程度でした。
こんなに暑い日だったのに(気温30度以上)と不思議に思い、
よく見てみるとミョウガの葉は裏側を内側にして閉じていました。
ワセリンを塗った方は普通に開いています。
そして、ボトルの中の水温はとても上がっていました。
色々考えましたが…

・水温が上がった影響で葉が閉じた。
・何かの理由で蒸散を防いだだめ蒸散量が少なかった
・ミョウガは日陰の植物なので余り蒸散しない。。
・暑さに弱い。

よくわかりません。
翌朝気温が下がると葉はまた開いていました。
ミョウガは暑いと葉が閉じるのですか。
なぜワセリンを塗った方は閉じなかったのでしょうか。
よろしくお願いします。
ken さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
ミョウガの葉はもともと水不足になると中肋(主葉脈)を中心に、裏側を内にして閉じる性質があります。ミョウガの株を抜き取って半日も置いておくとほとんどぜんぶの葉が閉じます。ミョウガの葉を切り取るとき、どのように切り取ったのかによって葉の吸水力は大きくちがいます。はさみで切り取ると水を通す導管が部分的に潰れますし、かみそりで切り取っても空気中で切り取ると導管に空気が入って吸水が妨げられます。そのような葉を水に挿して、日向に置くと蒸散で失う水の量のほうが吸水量よりも多くなって葉が水不足になり、閉じたものと思われます。夜は蒸散しなくなりますが、少ないながらも吸水は続きますので、葉の水不足が解消され開くものです。温度は、高温になれば蒸散が盛んになり、低くなれば遅くなりますので間接的に葉の閉じに影響するとは言えますが、直接的ではありません。ミョウガの葉がついている茎をまず切り取り、それを水の中に漬けて鋭い刃物で葉を切り取って試してみてください。また、ミョウガは半陰性の植物ですから、直射日光があたることを嫌いますので、明るい日陰に置いたらどうでしょうか。この性質から蒸散量も少ない部類に属すると思いますので、蒸散の実験には適した植物材料とは言えないかもしれません。別の、植物、たとえばヒマワリとかキク類を使うともっとはっきりすると思います。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2009-08-24
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