一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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バラのシュート発生を促進するホルモンについて

質問者:   一般   かのん
登録番号2062   登録日:2009-08-28
バラを育てていて、ある程度思い通りにつるバラのシュートを発生させたいと考えるようになりました。施肥によるコントロールの他に、サイトカイニンやサイトカイニン前躯体を塗りつけたり吸わせたりして頂芽優勢をくずし、シュート発生を促すことは可能でしょうか。また、そのための薬品は入手可能でしょうか。ベンジルアミノプリン液剤をリンゴやオウトウの苗木に使用する例を読みましたが、他の植物に単純に応用できないのはなぜでしょうか。
かのん さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
ご質問は花卉園芸がご専門の山田邦夫先生に伺いました。
バラの花は枝の先端に咲きますので、枝の数を増せばたくさん咲く筈ですね。そこでサイトカイニンの登場になるのですが、使用法は決して易しいものではありませんの、濃度、時期、回数などをいろいろ工夫してみてください。


【山田邦夫先生の解説】
「サイトカイニンは頂芽優勢に対しオーキシンとは拮抗的な生理作用を示し、腋芽にサイトカイニンを与えると頂芽を切除しなくても腋芽の成長が促進されることが実験的に確かめられています。バラでも、サイトカイニンを外から与えると側芽の休眠が打破され成長が促進されることが知られています。具体的には、バラの地際部の芽に0.5%から1%のベンジルアデニン ラノリンペーストを塗布することによってベーサルシュートの発生が促進されるとされています。

ご質問の内容に該当する製品の一例としては、ビーエー液剤という植物成長調整剤が販売されており、リンゴ、オウトウ、ブドウ、温州ミカン、アスパラガスやキクなどに対して利用されています。農薬に該当しますので、使用できる作物、濃度や回数などには注意が必要です。植物成長調整剤に対する植物の応答は作物種により様々であり、リンゴやオウトウと全く同じ条件で使用したからと言って他の作物でも同じ結果が得られるという保証はありません。」

山田邦夫(名古屋大学大学院生命農学研究科)
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2009-09-09
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