一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

植物Q&A

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ドングリをヨウ素液反応をさせる方法を教えてください。

質問者:   教員   HKMS
登録番号2134   登録日:2010-01-14
ドングリにはデンプンが含まれていますが、タンニンの関係でヨウ素液をかけてもヨウ素液反応が出ないと聞いています。(実際に、子ども達とやってみましたが出ませんでした。)そこで、どのような方法をとると要素反応を見ることができるか、方法を教えてください。よろしくお願いいたします。
HKMSさん

このコーナーに質問をお寄せ下さりありがとうございます。
早速、裏山からクヌギのドングリを拾ってきて試してみました。私はヨウ素の反応を見ることが出来ました。私が用いた方法は以下のとおりです。

1)反応を容易にするためにドングリに切断面を作りました。切断面は薄い黄土色をしていました。
2)ヨウ素液として少し希釈した“イソジン”を用いました。切断面は濃紫色(黒色)に染まりました。

ただ、染色液が浸みわたる必要があるためか、この反応には多少の時間がかかるように見えました(例えば、一夜放置)。切片を熱湯で短時間煮沸すると反応が観察しやすいように見えました。比較のために、米粒などについて反応を見られると良いのではないでしょうか。

なお、アスコルビン酸など、ヨウ素デンプン反応を阻害する物質が植物組織に含まれていることは事実です。ドングリの実に含まれるタンニンが阻害物質として働くかどうかは知りませんが、反応を見ることができなかった主な原因は、水分の少ない固体のような試料と溶液との反応の難しさに由来していると私は感じました。
もう一度、確かめて見て下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2010-01-19