一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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ミント・チャービルの葉の変化

質問者:   大学生   mama
登録番号2180   登録日:2010-04-21
こんばんは。
いつも拝見させていただいております。
私は以前水耕栽培のハーブ農家さんの現場を見学させて頂いたことがあります。
そこで、チャービル(セルフィーユ)、イタリアンパセリなどは
種が芽吹き、いくらか伸びたあと生長点を残し
刈り取りそこから伸びた葉をまた刈り取り収穫すると聞きました。
ここで刈り取ったあとに生えてきた葉の切れ込みのほうが、
細かくなると教えていただきました。
この現象は質問登録番号1627の方への回答のように
子ども型の葉と大人型の葉という、葉の年齢の違いによって
おきるのでしょうか?

またミントは刺し芽してすぐ生える葉が大きくなるという
特徴があるということです。
これは登録番号1900の方への回答のように
遺伝子によるものなのでしょうか?

この現象について、もし他にもありえる要因がございましたら
それについても教えていただきたくメールいたしました。
ご教授のほうよろしくお願い申し上げます。
mama さん:

みんなの広場 質問コーナーのご利用ありがとうございます。
せっかくのご質問ですが私どもでは的確なお答えすることができそうもありません。それは特定植物の栽培において経験的に「感じた」ことのようで具体的な根拠がはっきりしないからです。
「種が芽吹き、いくらか伸びたあと生長点を残し刈り取りそこから伸びた葉をまた刈り取り収穫すると聞きました」とのことですが、ふつうのハーブなどの収穫方法と少し違うようですね。チャーブにしろイタリアン・パセリーにしろ、発芽後、本葉がたくさん出て株として確立したところで収穫するのでかなりの量を得ることができます。ご質問にある方法ですとおそらく数枚の本葉が出たときに本葉を収穫することを繰り返すようです。私の想像ですが、本葉で行う光合成が植物体自体をまずつくり、株として確立しますので、早い時期に本葉をつみ取ってしまうと植物体自体の栄養的蓄積ができず、そこから出る次の葉はかなり貧弱になってしまうはずです。そのような葉は健全な葉とは形が変わることが予想されます。子どもの葉、大人の葉の形の違いとは違うことのようです。
また「ミントは刺し芽してすぐ生える葉が大きくなるという特徴があるということです」という点ですが、そのような特徴を記載した資料を見つけることができませんでした。健全に生育している植物の成葉の大きさは種によってほぼ決まっていますがいろいろな条件で変化もします。挿し芽の場合、根がでない間は挿し芽がもっている蓄積栄養と残された葉によるわずかな光合成に頼ることになりますから芽(葉)の成長展開は悪いはずです(実際に葉の展開はほとんどありません)。発根してはじめて栄養吸収を行い、新たな葉が展開してきますがそれが特に大きくなる必然性はなさそうです。草本などでは栄養条件(土壌条件など)、環境条件の変化には敏感です。「挿し芽」は栄養的、生理的に特殊な条件におかれますのでふだんとは変わったことが起こることがあるかも知れません。
JSPPサイエンスアドバイザー
今関 英雅
回答日:2010-04-23
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