一般社団法人 日本植物生理学会 The Japanese Society of Plant Physiologists

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硝酸態窒素について

質問者:   大学生   あこ
登録番号2183   登録日:2010-04-26
野菜に肥料を与えすぎると硝酸態窒素が増え、体によくないという記事を読みました。また光合成を盛んにさせるとそれらはアミノ酸にかわるからだいじょうぶだとも書かれていました。本当でしょうか。教えてください。
あこ 様

ご質問をありがとうございます。
一般的に言って、窒素肥料を与えすぎると植物体内(導管や液胞など)に硝酸態窒素が蓄積し、また、細胞中のアミノ酸やタンパク質含量が増加することが考えられます。他方、光合成を行うことによって硝酸態窒素の含量は低下します。何故なら、光合成の過程を経て行われるタンパク質・核酸・その他の含窒素化合物の合成には素材としての無機窒素が必要だからです。
ところで、硝酸態窒素の人体に及ぼす影響については多くの研究があり、その有害性が懸念され、国によっては水や食品(食料)における許容基準値が決められている模様です(但し、この問題に関して私は素人です)。硝酸態窒素が消化の過程で亜硝酸態窒素に変換され、亜硝酸態窒素が血液中でヘモグロビンと結合してメトヘモグロビンになることに起因する酸素供給不足や、亜硝酸態窒素が反応して生ずるN-ニトロソ化合物の発がん性などが問題のようです。しかし、まだ、硝酸態窒素による健康被害に関しては意見が分かれているように見受けられます。
野菜などの硝酸態窒素含量の具体値については数多くの報告があるようですので、必要があれば調べて見て下さい。

植物生理学と医学の分野にまたがる質問であるため、満足して頂ける答えになっていないかも知れませんがお許し下さい。
JSPPサイエンスアドバイザー
佐藤 公行
回答日:2010-04-30
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